(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
準体法とは何か
今回は準体法について解説します。
準体法とは、連体形によって名詞を作る日本語の文法のことです。古文を読解する上では、準体法は連体形の下に体言が省略される文法のことであると考えるとよいでしょう。
このとき省略される体言は「もの・とき・こと」などの体言や、文章中に既に出ている体言などです。
例文で準体法を確認しよう
例文で確認してみましょう。例えば、
桂川、月の明きにぞ渡る。
という例文があったとき、この「明き」が形容詞「明し」の連体形となっており、その下に格助詞「に」がついています。この「月の明き」の部分が名詞節を作っています。
この文を現代語訳してみると、「桂川を、月が明るいときに渡る。」といった意味になり、この「明き」と「に」の間に「とき」が省略されていることが分かります。
このような文法のことを準体法といいます。
準体法の下の「を」「に」「が」は格助詞である
また、準体法となっている連体形の下の「を」「に」「が」は、接続助詞ではなく格助詞となるということも重要です。
なぜなら、準体法となっているということは、体言として扱うあるいは体言が省略されているので、体言に接続するのは接続助詞ではなく格助詞だからです。
同格の格助詞「の」
続いてこちらの例文です。
頭白き女の、水汲めるなむ、家に入りにける。
という例文があった場合、この「水汲めるなむ」の「る」が連体形となっています。ちなみに、この「る」は存続の助動詞「り」の連体形です。
そしてこの例文では、この「水汲める」の部分が名詞のかたまりとなっており、一度出てきている「女」が「水汲める」の下に省略されています。
この例文を訳してみると、「頭が白い女で、水を汲んでいる女が家に入った」といった意味になります。
ちなみに、この「頭白き女の」の「の」は、同格の「の」と呼ばれており、文法的にとても重要です。
詳しくは格助詞の解説を見て欲しいのですが、この例文のように「の」の下に準体法つまり連体形で終わっている部分があるときは、この「頭白き女の」の「の」は同格の「の」であると判断し、「の」の上の体言が連体形の下に省略されます。
同格の「の」を含む文を訳すときは、「の」は「~で」で訳し、省略された体言を補いながら訳すようにしましょう。
いかがだったでしょうか、準体法というものが理解できたでしょうか。古文において準体法はよく見られ、文法的にも解釈の上でも重要なので必ず理解しておくようにしてください。
(3)解説授業の内容を復習しよう
②同格の「の」についての確認テストはこちら→格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」の確認テスト
(4)関連解説授業
①格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」の意味と注意点(同格の「の」、比喩の「の」、格助詞「より」の重要な意味、「をば」の訳し方を例文を使って解説しています)
②「に」の識別には準体法の知識が必要です→「に」の識別(完了・存続の助動詞「ぬ」の連用形、断定の助動詞「なり」の連用形、格助詞「に」、接続助詞「に」、単語の一部)
(5)参考
☆古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)
☆古文文法のすべて(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)
☆テーマ別に古文単語をまとめています→古文単語