反復試行の確率の式の意味(なぜnCrをつけるのか、3つ以上の反復試行の確率の求め方についても解説しています)

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(2)解説授業の原稿

今回は、反復試行の確率の式の意味について解説します。

反復試行の確率の公式

反復試行の確率は、

という式で求めます。

なぜこの式になるのか説明できるでしょうか。今回は、この形になる理由を解説します。

例題で反復試行の確率の公式の意味を考える

例えば、サイコロを振って1,2が出たら勝ち、3,4,5,6が出たら負けというゲームを5回繰り返して、5回中2回勝つ確率を考えてみましょう。

すると、反復試行の確率の式を使えば、

となります。

しかし、1/3を2回、2/3を3回出せばいいわけなので、

としては、なぜダメなのでしょうか? ₅C₂とはいったい何を表しているでしょうか?

何パターンあるかを考えないといけない

以後、1,2が出たら〇、3,4,5,6が出たら×とします。

例えば、

〇〇××× (最初の2回を連続で勝って、残りを全て負ける)

この確率は

であることは間違いありません。

しかし、勝敗の決まり方(5回中2回勝つ場合)はこのパターンだけではなく、例えば〇×××〇や×〇×〇×など、他にもパターンもあります。

それらのパターン(全ての勝敗のパターン)を全て考えないと今回求める確率にはならないのです。

ぞして、その勝敗のパターンが何通りあるかというと、5回中2回勝つ場所を選べばよいので、₅C₂通りあることになるわけです。

そして、この₅C₂通りパターンは全て確率が

となるので、求める確率は、

となるわけです。

これが反復試行の確率の式の前についているnCrの意味なのです。

同じものを含む順列で考える

また、パターンの総数を求めるやり方として、〇〇×××という「同じものを含む順列」であるとみれば、

として求めることもできます。

※ちなみに₅C₂=5!/(3!・2!)です。

3つ以上の反復試行の確率

さらに、同じものを含む順列を使ったパターン数の求め方を理解できていれば、3つ以上の反復試行の確率も求めることができます。

例えば、サイコロを振って、1の目がでたら〇、2と3の目が出たら△、4と5と6の目が出たら×とするとき、10回サイコロを振って、〇が2回、△が3回、×が5回出る確率を求めてみましょう。

まず、それぞれの確率は、〇が1/6、△が2/6、×が3/6となります。

次に、何パターンあるのかを求めるわけですが、そのとき、

〇〇△△△×××××

の同じものを含む順列と考えて、式を立てると

このようになります。

このようにすれば、3つ以上の反復試行の確率も求めることができます。

いかがだったでしょうか。反復試行の確率は、ただ公式を使って終わりとするのではなく、なぜこの式になるのかを理解することが大切です。

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