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(2)解説授業の原稿
付帯状況のwithの構文
今回は付帯状況のwithについて解説します。
付帯状況のwithとは、with A Bの形で「A is Bの状況(状態)で」と訳す構文のことです。
Bの部分には現在分詞や過去分詞など分詞がよくきます。しかしBの部分は必ずしも分詞である必要はなく、形容詞や前置詞などがくることもあります。
この付帯状況のwithの構文で重要なことは、このAとBの関係がA is BあるいはA=Bの関係になっていることです。この関係を見抜くことができれば、付帯状況のwithの文法的な構造を把握したり、正確な和訳をしたりすることができるようになります。
例文で確認
例文で確認してみましょう。
例文①:with tears running down her cheeks
例えば、
with tears running down her cheeks
とあればtearsがAで、running her cheeksが現在分詞なのでBとなります。よって、AとBの関係はA is Bの関係なので、tears are running down her cheeksの関係となります。
したがってこれを直訳してみると、「涙が彼女の頬を流れ落ちている状態で」といった訳になり、自然な訳にしてみると「彼女は涙を頰に流しながら」といったような訳になります。
例文②:with his legs crossed
続いて
with his legs crossed
といった例文ですが、この例文ではhis legsがAとなり、crossedが過去分詞なのでBとなります。よって、AとBはA is Bの関係なので、his legs are crossedという関係になっています。
意味としては「彼の足を交差させた状態で」、つまり「彼は足を組みながら」といった訳になります。
なぜ”with his legs crossing”は誤りなのか
ただ、「彼は足を組みながら」という日本語だけを考えると、crossingつまり現在分詞ではないのかと考える人がいるかもしれません。
しかしこれは間違いです。日本語だけで考えてしまうと、現在分詞か過去分詞か分かりにくいときがありますが、文法的に考えるようにすれば現在分詞が過去分詞かで迷うことはなくなります。
付帯状況のwithを文法的に考えるとはどういうことかというと、AとBの関係がA is Bの関係であると考えることです。もしcrossedが現在分詞crossingであれば、
His legs are crossing.
の関係が成り立っているということになるのですが、この文は文法的に誤りです。
なぜなら動詞のcrossは「~を交差する」という意味の他動詞だからです。他動詞とは、目的語を取らないといけない動詞のことなので、他動詞の後ろに目的語が存在しないHis legs are crossingの文は文法的に誤りということになります。
- 英語を学習する上で必要な5文型の基礎知識(なぜ5文型を勉強する必要があるのか、文の要素S, V, C, Oと品詞、自動詞と他動詞、修飾語、補語の働き、各文型のポイントと訳し方についても解説しています)
よって、受動態となっている
His legs are crossed.
の文が文法的に正しいので、この例文(with his legs crossed)のBの部分にはcrossedつまり過去分詞がくるのです。
ちなみに、受動態というのは目的語を主語にする文法のことなので、他動詞crossの本来の目的語であるhis legsが主語の部分にきているのです。
例文③:with my mouth full
それでは残りの例文も見ていきましょう。
with my mouth full
これは形容詞fullがBの部分にきている例文です。
「私の口がいっぱいの状態で」つまり「食べ物を頬張って」といった意味になります。
例文④:with the light on
最後の例文はBの部分に前置詞がきています。
with the light on
で「明かりを付けながら」といった意味になります。
いかがだったでしょうか。付帯状況のwithにおいては特に現在分詞か過去分詞かで間違いやすいのでしっかりとA is Bの関係であるということ意識しながら使うようにしましょう。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)分詞(英文法)の解説一覧
①分詞の基本中の基本(現在分詞か過去分詞かの正しい判断の方法)
②感情を表す動詞の注意点(surpriseの意味は「驚く」ではない、surprisingとsurprisedの使い分け)
③分詞構文のルール完全解説(接続詞・主語・動詞の変化の仕方、独立分詞構文、分詞構文の意味上の主語、分詞構文の時制、being/having beenの省略、否定の分詞構文)
④付帯状況のwith(with his legs crossingが文法的に誤りである理由についても解説しています)
⑤準動詞(不定詞、分詞、動名詞)の意味上の主語(例文を使って解説しています)
☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧
(5)参考
☆覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)
☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)