(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
二項定理とは
(a+b)nを展開してみると
このようになることを二項定理といいます。
また、nCran-rbrのことを、この展開式の一般項とよんでいます。
ではなぜ二項定理はこのような式になるのでしょうか。今回はその点を解説します。
(a+b)3で考えてみる
例えば、(a+b)3で考えてみましょう。
(a+b)3とは(a+b)(a+b)(a+b)のことなので、これを分配法則を使って展開してみると、以下のように8つの項ができます。
(a+b)3
=(a+b)(a+b)(a+b)
=aaa+aab+aba+abb+baa+bab+bba+bbb
そしてこれを整理すると
aaa+aab+aba+abb+baa+bab+bba+bbb
=a3+3a2b+3ab2+b3
となります。ではこの展開式の係数の1, 3, 3, 1を考えてみましょう。
a3とはaaaのことなのですが、この項を作るためには1つ目のカッコからaを選び、さらに2つ目のカッコからもaを選び、そして3つ目のカッコからもaを選ぶことによってできます。逆にbは3つのカッコのうちから1つも選んではいけないので、3つのカッコのうちからbを0個選ぶと考え、3C0がa3の係数となります。
また、a2bは、1つ目のカッコからaを選び、2つ目のカッコからもaを選び、3つ目のカッコからbを選ぶ、つまりaabや、aを選びbを選びaを選ぶabaや、bを選びaを選びaを選ぶbaaの3つをまとめています。よってa2bの係数は、3つのカッコのうちからbを1つ選ぶ3C1となります。
同様にしてab2を考えてみると、aを選びbを選びbを選ぶabbや、bを選びaを選びbを選ぶbabや、bを選びbを選びaを選ぶbba、これら3つをまとめているので、ab2の係数は、3つのカッコのうちから2つbを選ぶ3C2となります。
最後にb3の係数は、3つのカッコ全てでbを選ぶので3C3となります。
このように二項を展開した式の係数は、カッコから何個bを選ぶかで決まってきます。
(a+b)nの展開式の係数を考えてみる
それではn乗の二項定理の係数も同様に考えてみます。
anとはつまり、n個のかっこのうちからbを1つも選ばないということなのでnC0が係数となり、an-1b1はn個のカッコのうちからbを1個選ぶのでnC1となり、an-2b2の係数はn個のカッコのうちからbを2個選ぶのでnC2が係数となり、an-rbrはn個のカッコのうちからbをr個選ぶのでnCrが係数となります。
同じものを含む順列で考えてみる
また、二項定理の係数に関してもう1つ考え方があります。
例えば3乗の展開式を見たときに、a2bになるのはaab、aba、baaの3通りなので係数が3となるわけですが、これはつまり、aが2個、bが1個の同じものを含む順列と考えることもできます。
a2bであれば、3!を同じものの数である2!と1!で割って3!/(2!・1!)と考えることができます。
この同じものを含む順列の考え方で、二項定理の一般項の係数を考えてみると、aをn-r個、bをr個並べる並べ方はn!を(n-r)!とr!で割ったものとなり、n!/(n-r)!r!はnCrと同じ値になります。
このように二項定理の係数は同じものを含む順列でも考えることができるということは知っておきましょう。
多項定理(多項展開式)の係数
それでは最後に多項定理の係数についても同様に考えてみます。
この一般項の係数の部分がなぜこの形なのかは、先ほどの二項定理の係数の考え方を使えばわかります。
n!/(p!q!r!)は同じものを含む順列の式となっています。aをp個、bをq個、cをr個並べたときの並べ方はn!を同じものの数の階乗であるp!q!r!で割ることで求めることができます。このように多項定理の係数も同じものを含む順列で説明ができます。
また、この係数はCを使って説明することもできます。n個のカッコのうちからaをp個選び、残りn-p個のカッコのうちからbをq個選び、残りn-p-q個のカッコのうちからcをr個選ぶ選び方がこの係数となります。
nCp×n-pCq×n-p-qCr
この式を計算してみると、約分され、p+q+r=nなので(n-p-q-r)!=0!=1となり、残ったものを見てみると確かにn!/(p!q!r!)となります。
(3)解説授業の内容を復習しよう
問題作成中
(4)式と証明(数学Ⅱ)の解説一覧
③相加平均・相乗平均の大小関係の使い方と使いどころ(どのようなときに相加相乗平均を使うのか)