「村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「も」は係助詞

・「ぬ」は打消しの助動詞の連体形

③句切れ

・句切れなし

④代語訳

にわか雨が残した露もまだ乾ききっていない槙の葉に、もう霧が立ちのぼっていく秋の夕暮れであるよ。

⑤その他解説

・「村雨」は断続的に降る激しい雨のこと。

・「ひ」は上一段動詞「干る」の未然形

・「真木」とは杉や槙や檜などの常緑樹の総称のこと。秋なのに紅葉ではなく、あえて常緑樹にすることで色彩を抑え、霧をより鮮明にしている。

・雨上がりの一瞬を詠んだ歌である。