「嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「とて」は「~といって」と訳す格助詞

・「やは」:「や」「は」ともに係助詞。「やは」とすることで反語の意味となる。

・「する」は使役の助動詞の連体形

・「かな」は詠嘆の終助詞

③句切れ

・三句切れ

→「や~する」は係り結び

④現代語訳

嘆き悲しめと月はわたしにもの思いをさせるのだろうか、 いや、そうではあるまい。本当はわたしの(恋の)悩みのせいなのに、まるで月の仕業であるかのようにこぼれ落ちるわたしの涙であるなあ。

⑤その他解説

・「かこつ」は「口実にする」「ほかのもののせいにする」といった意味の動詞。