「わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「うぢ」は「憂し」と「宇治山」の掛詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「は」は係助詞

・「ぞ」は係助詞(連体形結び)

・「なり」は伝聞の助動詞の終止形

③句切れ

・三句切れ

→「住む」が連体形で係り結びとなっている。

④現代語訳

私の草庵は都の東南にあって、そこでこのように静かに暮らしている。しかし世間の人たちは、私がつらい世の中から隠れて、この宇治の山に住んでいるのだと噂しているようだ。

⑤その他解説

・「たつみ」は「辰巳」で、東南の方角のこと。都の東南に宇治山がある。

・「しか」に「鹿」が掛かっているという解釈もある。