「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「ちはやふる」が「神」を導く枕詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「も」は係助詞

・「ず」は打消しの助動詞の終止形

・「とは」は、格助詞「と」+係助詞「は」

③句切れ

・二句切れ

→「ず」が終止形

④現代語訳

不思議なことが多かった神代にさえこんなことは聞いたことがない。竜田川一面に紅葉が散りしいて、(竜田川が)流れる水を鮮やかな紅の色に染めあげるなどということは。

⑤その他解説

・「竜田川」:奈良県にある龍田山のほとりを流れる川。紅葉の名所として知られている。

・「から」は本来「唐(中国の)」という意味だが、接頭語として美しいものにつくようになった。

・「くくる」は「くくり染め(しぼり染め)にする」という意味。擬人化された竜田川が川の水を染め上げていると見立てた。