「すべて」「ある」の否定

(1)例題

次の命題とその否定の真偽をそれぞれ答えよ。

①すべての素数は奇数である。

②ある実数xについて x2≦0

③任意の実数x, yに対して x2-6xy+9y2>0

(2)例題の答案

①元の命題は 偽(反例:素数2は偶数である)

命題の否定「ある素数は偶数である」は 真(素数2は偶数だから)

②元の命題は 真(x=0で成り立つから)

命題の否定「すべての実数xについて x2>0」は 偽(反例:x=0)

③x2-6xy+9y2=(x-3y)2より

元の命題は 偽(反例:x=3, y=1)

命題の否定「ある実数x, yに対して x2-6xy+9y2≦0」は 真(x=3, y=1のときx2-6xy+9y2=0となるから)

(3)解法のポイント

「すべての~は……である」の否定は「ある~は……ではない」「ある~は……である」の否定は「すべての~は……ではない」となります。

「任意の~」は「すべての~」と読み替えます。

また、「ある~」の命題の真偽を考えるときは、「~を満たすものが1つでもあるか(存在するか)」と考えます。~を満たすものが1つでもあれば真、1つもなければ偽となります。

さらに、今回の例題から分かるように、元の命題が真のときその命題の否定は偽となり、元の命題が偽のときその命題の否定は真となります。

(4)必要な知識

①Aの否定、Aではない