(1)解説授業動画
☆YouTubeチャンネルの登録をよろしくお願いします→大学受験の王道チャンネル
(2)解説授業の原稿
今回は願望の助動詞の「まほし」と「たし」について解説します。
「まほし」「たし」の意味
「まほし」と「たし」は、どちらも「〜たい」と訳す願望の助動詞です。
「まほし」は平安時代によく見られ、「たし」は鎌倉時代以降に「まほし」に代わって使われるようになります。そして、現在使われている「たい」に変わっていきます。
「まほし」「たし」の接続
次に接続ですが、「まほし」は未然形接続で、「たし」は連用形接続です。
願望の意味を持つ助動詞や助詞の多くは未然形接続ですが、「たし」は連用形接続なので注意しておきましょう。
「まほし」「たし」の活用
最後に活用を確認します。
未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形の順番で確認すると、
「まほし」の右側つまり基本活用(本活用とも言う)は
「まほしく・まほしく・まほし・まほしき・まほしけれ・○」、
「まほし」の左側つまり補助活用は
「まほしから・まほしかり・○・まほしかる・○・○」
となります。次に、
「たし」の活用の右側つまり基本活用は
「たく・たく・たし・たき・たけれ・○」、
「たし」の左側つまり補助活用は
「たから・たかり・○・○・○・○」
となります。「○」というのはその活用形の用例が存在しないということを表しています。
「まほし」も「たし」も形容詞型の活用となっているので、基本活用と補助活用の2種類の活用があります。
そのため、助動詞に接続するときは補助活用を使う、つまり、「まほし」や「たし」の下に助動詞を書くときは「まほし」や「たし」は補助活用にしないといけないというルールは知っておきましょう。
(3)解説授業の内容を復習しよう
②補助活用の確認テストはこちら→補助活用確認テスト
(4)助動詞(古文文法)の解説一覧
①助動詞(古文)の接続は、まず3つに分類すると覚えやすくなります!(未然形接続、終止形接続(ラ変には連体形接続)、連用形接続)
②打消の助動詞「ず」の解説(補助活用が文法的に重要である理由についても解説しています)
③過去の助動詞「き」「けり」の解説(「~せば……まし」の構文についても解説しています)
④完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」の接続と意味(「つ」「ぬ」が強意の意味になるパターン、「たり」「り」が存続の意味になりやすいとき、「つ」「ぬ」の並列の意味についても解説しています)
⑤推量の助動詞「む・むず・じ・らむ・けむ・べし・まじ」の活用・接続・意味(訳し分けのポイント、婉曲の意味についても解説しています)
⑥推定の助動詞「らし」「なり」「めり」の解説(撥音便・撥音便無表記についても解説しています!)
⑦断定の助動詞「なり」「たり」の意味と接続(「なり」の存在の意味、断定の「なり」の連用形「に」の使い方についても解説しています)
⑧受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」「らる」の意味と訳し分け
⑨使役・尊敬の助動詞「す」「さす」「しむ」の意味と訳し分け(二重敬語(最高敬語)についても解説しています)
⑩反実仮想の助動詞「まし」の意味と訳し分け(反実仮想・ためらいの意志・反実の願望の訳し分けについて解説しています)
(5)参考
☆古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)
☆古文文法のすべて(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)
☆テーマ別に古文単語をまとめています→古文単語