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相加平均・相乗平均の大小関係の使い方と使いどころ(どのようなときに相加相乗平均を使うのか)

(1)解説授業動画

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(2)解説授業の原稿

相加平均・相乗平均の大小関係

いわゆる相加相乗平均ですが、公式は以下のようになります。

まず注意しておきたいのが、2段目のa+b≧2√ab だけでなく、これを使うための条件と、等号が成立するための条件もセットで使えるようにならないといけないということです。

相加平均・相乗平均の大小関係を使うための条件

まず、相加相乗平均を使うためには、aとbがともに正でないといけません。逆に正である2数ならばどのような数でも、この相加相乗平均は成り立ちます。

相加平均・相乗平均の2段目

そして、2段目ですが、これは本来

(a+b)/2≧√ab

このような形なのですが、実際には

a+b≧2√ab

こちらの形で使うことがほとんどです。ちなみに(a+b)/2のことを、足し算の平均なので相加平均といい、√ab のことを、掛け算の平均なので相乗平均と言います。

相加平均・相乗平均の大小関係の等号成立条件

そして最後に、等号成立つまりa+b=2√ab が成り立つときはa=bのときであるというのも、相加相乗平均を使ったときは記述するのを忘れないようにしましょう。

相加平均・相乗平均の大小関係を使うメリット

また、相加相乗平均を使う1番のメリットは、「足し算を掛け算に変えることができる」ということです。

つまり、足し算では上手くいかないけど、掛け算なら上手くいくようなときに相加相乗平均を使うということになります。

特に、分数の分母に文字があるときは相加相乗平均で上手くいくことが多いです。

例題①:相加平均・相乗平均の大小関係の基本的な使い方

それでは例題で相加相乗平均の使いかたを確認してみましょう。

(問題)

x>0のとき、x+3/xの最小値を求めよ。

(答え)

x>0, 3/x>0なので、相加平均と相乗平均の大小関係より
x+3/x≧2√x×3/x=2√3
等号成立はx=3/xつまりx=√3 のとき
したがって、x=√3のとき最小値2√3

(解説)

このように分母に文字があり、足し算ではうまくいかないようなときに相加相乗平均を使います。

まずは、1段目の相加相乗平均を使うための条件を確認します。今回はxが0より大きく、aとbに相当するものがそれぞれ正であるので、相加平均と相乗平均の大小関係が使えます。

テストや入試などでは「相加相乗平均」とは書かずに、「相加平均と相乗平均の大小関係」と正式名称で書くようにしましょう。

そして、2段目のa+b≧2√ab を使います。ここで足し算が掛け算になり、分母の文字がうまく処理されます。

最後に等号が成立するときを確認します。今回はa, bに相当するものがx, 3/xなので、等号が成立するのは、x=3/xのとき、つまりx=√3のときとなります。ちなみにここの計算は以下のようになっています。

x=3/x ⇔ x2=3
x>0より、x=√3

こういった計算は計算用紙にすれば問題ありません。

よって、x=√3 のときは、等号成立つまりx+3/x=2√3 のときなので、最小値は2√3となります。

相加相乗平均を使うときは必ずこの3つの構成を意識しながら使うようにしましょう。

例題②:相加平均・相乗平均の大小関係を指数関数で使う

次の問題です。

(問題)

xが実数で、t=2x+2-xとしたときtの範囲を求めよ。

(答え)

2x>0, 2-x>0であるので、相加平均と相乗平均の大小関係より
2x+2-x≧2√2x・2-x=2
等号成立は2x=2-xつまりx=0のとき
よって、求めるtの範囲は、2≦t

(解説)

指数の問題などで、tをこのように置くことがあると思います。そういったときに、置き換えた文字の範囲を出さないといけないのですが、そのような場合でも相加相乗平均を使います。なぜなら、2-xとは1/2xのことであり、分母に文字があるからです。

それでは先ほどと同様に、3つの構成を意識しながら、tの範囲を求めてみます。

まずはa, bに相当するものが正であることを確認し、「相加平均と相乗平均の大小関係」と正式名称で書き、足し算を掛け算に変換します。2x・2-xは、20つまり1となるので、2√2x・2-x= 2となります。

最後に、等号成立つまり2x+2-x=2が成り立つときを考えてみると、2x=2-xつまりx=0のときとなります。ちなみに、この計算は以下のようになります。

2x=2-x
22x=20
x=0

2x=2-xの両辺に2xをかけます。すると左辺は22xとなり、右辺は20となります。そして指数を比べて、2x=0 つまりx=0となります。以上よりxが実数のとき、tは2以上となります。

(3)解説授業の内容を復習しよう

相加平均・相乗平均の大小関係の証明

相加平均・相乗平均の大小関係を利用した最大最小

(4)式と証明(数学Ⅱ)の解説一覧

式と証明(数学Ⅱ)公式一覧

二項定理と多項定理の係数の意味(なぜCがついているのか)

相加平均・相乗平均の大小関係の使い方と使いどころ(どのようなときに相加相乗平均を使うのか)

(5)参考

式と証明(数学Ⅱ)の解説・授業・公式・演習問題一覧

数学Ⅱの解説動画・授業動画一覧

数学Ⅱ公式一覧

数学Ⅱの解説・授業・公式・演習問題一覧

数学の解説動画・授業動画一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学公式一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学の解説・授業・公式・演習問題一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学典型パターン一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学の語呂合わせ

数学学習に必要な参考書・問題集

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