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比較級なのにtheをつけるときを解説します(2者の比較、all the 比較級 because/for、none the 比較級 for、the 比較級, the 比較級)【英文法のすべて】

(1)解説授業動画

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(2)解説授業の原稿

今回は、比較級なのにtheをつけるときを解説します。

比較級には基本的にtheはつけません。しかし、theをつけないといけない場合が2パターンあるので、それぞれ確認します。

比較級にtheをつけるとき①:2者の比較

まず1つ目は2者の比較です。2者の比較とは、2つのものの中で比較することです。例えば、

This piano is the better of the two.

この例文は、「2つの中でこのピアノの方が良い。」という意味ですが、比較級のbetterにtheがついています。それは、of the two(2つの中で)と2者で比較しているからです。

なぜ2者で比較するとtheをつけるのかというと、特定されるからです。

そもそもtheは特定されるときにつけるものです。「特定」とは分かりやすく言うと、話し手と聞き手が同じものを思い描いている状態のことです。

つまり、2つしか比較対象がないときは、「より良いもの」と「より悪いもの」しかなく、「より良いほう」と言えば、1つに特定されるのでtheをつけないといけないのです。

比較級にtheをつけるとき②:「それだけいっそう~」の意味のとき

続いて、比較級にtheをつける2つ目のパターンは、「the+比較級」が「それだけいっそう~」という意味になるときです。

これは主にイディオムとして使います。

(all) the 比較級 because~ (~なので、それだけいっそう……)
none the 比較級 for~ (~だからといって、それだけいっそう……ということはない)
the 比較級~, the 比較級…… (~すればするほど……)

この3つの表現はとても重要な表現なので、必ず覚えましょう。

(all) the 比較級 because ~ (~なので、それだけいっそう……)

まずは、

I like him all the better because he has faults.

この例文を訳してみると、「彼には欠点があるので、それだけいっそう私は彼のことが好きだ。」といったような意味になります。

allはthe 比較級を強調しており、省略されることもあります。

また、becauseの部分はforになることもあります。ただ、becauseは接続詞なのでbecauseの後ろは文になるのに対し、forの場合は前置詞なのでforの後ろは名詞にならないといけないという点には注意しましょう。

ちなみに、「より好きである」といったようにlikeやloveに比較級をつけるときは、moreではなくbetterを使うということも知っておきましょう。

none the 比較級 for ~ (~だからといって、それだけいっそう……ということはない)

続いて、

His grade was none the worse for staying up late.

こちらの例文です。この文では、「none the 比較級 for ~」という表現が使われており、これは「~だからといって、それだけいっそう……ということはない」と訳す表現です。

よって、この文を訳してみると、「夜更かししたからといって、それだけいっそう彼の成績が悪くなったということはなかった。」といったような意味になります。

the 比較級の前にnoneがついているので、否定の意味になっています。この「none the 比較級 for」の表現は、「all the 比較級 for」の否定の表現である、ということになります。

the 比較級 ~, the 比較級 …… (~すればするほど……)

それでは、最後に

The higher you climb, the colder it becomes.

この例文を確認します。この文では、「the 比較級 ~, the 比較級 ……」の構文が使われています。「the 比較級 ~, the 比較級 ……」「~すればするほど……」といった比例関係を表す表現です。

この文を訳してみると、「高く登れば登るほど、ますます寒くなる」といったような意味になります。

「the 比較級 ~, the 比較級 ……」の構文のポイントは、比較級が本来の位置から前に移動するということと、2つの文を接続詞は使わずに「,(コンマ)」でつなぐということです。本来英語は、2つの文を接続詞なしで、「,(コンマ)」だけでつなぐことはできません。しかし、この「the 比較級 ~, the 比較級 ……」の構文は特殊な構文なので、このようになっています。

いかがだったでしょうか。特に2者の比較の方は、なぜtheがつくのかの理由から理解するようにしましょう。

(3)解説授業の内容を復習しよう

比較の文法事項テスト

比較のイディオム一覧

比較のイディオムの例文一覧

(4)比較(英文法)の解説一覧

not more than / not less than / no more than / no less thanの考え方(クジラ構文についても解説しています)

比較級なのにtheをつけるときを解説します(2者の比較、all the 比較級 because/for、none the 比較級 for、the 比較級, the 比較級)

最上級なのにtheをつけないときを解説します(同一人・物の比較)

☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧

(5)参考

比較(英文法)の解説・授業・確認テスト一覧

英文法の解説動画・授業動画一覧

英文法確認テスト一覧

覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)

☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)

英語学習に必要な参考書・問題集

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