☆問題のみはこちら→完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」文法事項テスト（問題）
☆解説授業はこちら→完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」の接続と意味（「つ」「ぬ」が強意の意味になるパターン、「たり」「り」が存続の意味になりやすいとき、「つ」「ぬ」の並列の意味についても解説しています）
①助動詞「つ」の活用を答えよ。
| 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| て | て | つ | つる | つれ | てよ |
②助動詞「ぬ」の活用を答えよ。
| 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
③完了の助動詞「たり」の活用を答えよ。
| 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| たら | たり | たり | たる | たれ | （たれ） |
④助動詞「り」の活用を答えよ。
| 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| ら | り | り | る | れ | （れ） |
⑤「つ」「ぬ」「たり」の接続を答えよ。
→連用形接続
※「過去・完了の助動詞」の分類。
⑥「り」の接続は？
→サ変には未然形、四段には已然形
※「サミシイ」という語呂合わせが有名。
※「e」の音に接続すると知っておくと識別がしやすくなる。詳しくはこちら→「る」「れ」「らむ」の識別（受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」、完了・存続の助動詞「り」、現在推量の助動詞「らむ」）
⑦助動詞「つ」「ぬ」が強意になるパターンを8つ挙げよ。
→てむ・なむ・つべし・ぬべし・つらむ・ぬらむ・てまし・なまし
※「む」「べし」は推量の助動詞、「らむ」は現在推量の助動詞、「まし」は反実仮想の助動詞。
⑧助動詞「つ」「ぬ」が命令形（「てよ」「ね」）になったときどのような意味になりやすいか？
→強意（～してしまえ）
※命令しているということは、まだしていないということなので、完了の意味にはなりにくい。
⑨強意の訳し方を答えよ。
→きっと～する、～してしまえ（命令形のとき）
⑩「たり」「り」の完了（～た）以外の意味と、訳し方を答えよ。
→意味：存続、訳し方：～している
⑪「たり」「り」が体言に接続するとき、どのような意味になりやすいか？
→存続
⑫「ぬ」は完了・強意の助動詞以外では、どのような助動詞になる可能性があるか。
→打消の助動詞「ず」の連体形
⑬「ね」は完了・強意の助動詞以外では、どのような助動詞になる可能性があるか。
→打消の助動詞「ず」の已然形
⑭「る」は完了・存続の助動詞以外では、どのような助動詞になる可能性があるか。
→受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」の終止形
⑮「れ」は完了・存続の助動詞以外では、どのような助動詞になる可能性があるか。
→受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」の未然形または連用形
⑯「にけり」「にき」「にし」「にしか」「にたり」を現代語訳せよ。
→～してしまった
※このように、「に」の下に過去の助動詞や完了の助動詞を伴ったときは、「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形と判断することができる。
⑰「舟に乗りては降りつ、降りては乗りつ。」の「つ」の意味を答えよ。
→並列（～たり）
※「～つ……つ」の形で「～したり……したり」と訳す。
※並列の意味が載っていない参考書もあるが、知っておいたほうがよい。
⑱「浮きぬ沈みぬ。」の「ぬ」の意味を答えよ。
→並列（～たり）
※「～ぬ……ぬ」の形で「～したり……したり」と訳す。
※並列の意味が載っていない参考書もあるが、知っておいたほうがよい。
⑲「月出でにけり。」を現代語訳せよ。
→月が出てしまった。
※「にけり」の「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形。
※「にけり」は「～してしまった」と訳す。
⑳「一口に食ひてけり。」を現代語訳せよ。
→一口に食べてしまった。
※「てけり」の「て」は完了の助動詞「つ」の連用形。
※「てけり」は「～してしまった」と訳す。
㉑「音にも聞きつらむ。」を現代語訳せよ。
→きっと噂に聞いているだろう。
※「つらむ」の「つ」は強意の助動詞「つ」の終止形。「てむ・なむ・つべし・ぬべし・つらむ・ぬらむ」は「ぬ」「つ」が強意の意味になるパターンなので覚えておこう。
※強意は「きっと～」または「～してしまう」と訳す。
※「らむ」は現在推量（～しているだろう）の助動詞。
※ちなみに、「音に聞く」は「噂に聞く」という意味の重要表現。
㉒「この浦を去りね。」を現代語訳せよ。
→この浦を去ってしまえ。
※「つ」「ぬ」が命令形（「てよ」「ね」）のときは、強意の意味になることが多い。訳すときは「～してしまえ」と訳す。
㉓「今は降ろしてよ。」を現代語訳せよ。
→今は降ろしてしまえ。
※「つ」「ぬ」が命令形（「てよ」「ね」）のときは、強意の意味になることが多い。訳すときは「～してしまえ」と訳す。
㉔「わづらひて臥したるときに」を現代語訳せよ。
→病気になって横になっているときに
※「たる」は「とき」（体言）に接続しているので、存続（～している）の意味になりやすい。
☆問題のみはこちら→完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」文法事項テスト（問題）
☆解説授業はこちら→完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」の接続と意味（「つ」「ぬ」が強意の意味になるパターン、「たり」「り」が存続の意味になりやすいとき、「つ」「ぬ」の並列の意味についても解説しています）
☆完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」の活用表・接続・意味
【助動詞（古文）の解説授業一覧】
①助動詞（古文）の接続は、まず3つに分類すると覚えやすくなります！（未然形接続、終止形接続(ラ変には連体形接続)、連用形接続）
②打消の助動詞「ず」の解説（補助活用が文法的に重要である理由についても解説しています）
③過去の助動詞「き」「けり」の解説（「～せば……まし」の構文についても解説しています）
④完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」「り」の接続と意味（「つ」「ぬ」が強意の意味になるパターン、「たり」「り」が存続の意味になりやすいとき、「つ」「ぬ」の並列の意味についても解説しています）
⑤推量の助動詞「む・むず・じ・らむ・けむ・べし・まじ」の活用・接続・意味（訳し分けのポイント、婉曲の意味についても解説しています）
⑥推定の助動詞「らし」「なり」「めり」の解説（撥音便・撥音便無表記についても解説しています！）
⑦断定の助動詞「なり」「たり」の意味と接続（「なり」の存在の意味、断定の「なり」の連用形「に」の使い方についても解説しています）
⑧受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」「らる」の意味と訳し分け
⑨使役・尊敬の助動詞「す」「さす」「しむ」の意味と訳し分け（二重敬語（最高敬語）についても解説しています）
⑩反実仮想の助動詞「まし」の意味と訳し分け（反実仮想・ためらいの意志・反実の願望の訳し分けについて解説しています）
～参考～
☆古文文法の解説動画・授業動画一覧（基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別）
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