(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
変位・速度・加速度の関係
単振動の速度と加速度を微分で求めてみます。
物理において、変位を時間で微分すると速度となり、速度を時間で微分すると加速度となります。また、加速度を時間で積分すると速度となり、速度を時間で積分すると変位となります。
この関係を使って単振動の速度と加速度を求めてみましょう。
単振動とは何か
そもそも単振動とは何かというと、単振動とは等速円運動の正射影のことです。正射影とは何かというと、垂線の足の集まりのことです。
図を使って説明すると、下図のように等速円運動をしている物体があり、図の黒丸の位置に来たときの垂線の足は赤丸の位置となります。このような垂線の足を集めていったものが単振動なのです。
要するに等速円運動を図の左側から見たときの見え方が単振動となります。図の左側から等速円運動を見た場合、上下に運動しているように見えると思います。
これが単振動の定義です。
単振動の変位の式
よって半径がA、角速度ωで等速円運動している物体がt秒後に、図の黒丸の位置に来た場合、その正射影は赤丸の位置となり、その変位をxとおけばx=Asinωtとなります。
これで単振動の変位を式で表すことができました。
ちなみにωは等速円運動の場合は角速度というのですが、単振動の場合は角振動数と呼ぶことは知っておきましょう。
変位の式を微分して速度の式を求める
それでは変位を微分して速度を求めてみましょう。この変位の式の両辺を時間tで微分します。
このsinωtが合成関数であることに注意してください。つまりsinωtをtで微分すると、ωcosωtとなり、Aは時間tには関係ないのでそのまま書きます。
x=Asinωtの両辺をtで微分
v=Aωcosωt
これで単振動の速度v=Aωcosωtとなることがわかりました。
速度の式を微分して加速度の式を求める
そしてさらに、速度を時間で微分して加速度を求めてみます。速度の式の両辺を時間tで微分します。
このcosωtが合成関数になっていることに注意して計算すると、a=ーAω2sinωtとなります。そしてx=Asinωt なので、このAsinωt をxにして、a=ーω2xとなります。
v=Aωcosωtの両辺をtで微分
a=ーAω2sinωt
x=Asinωtを代入すると
a=ーω2x
このように、微分を使えば単振動の速度と加速度を計算で求めることができます。
ちなみに、単振動をする物体の加速度は必ずa=ー〇xの形になっているということはとても重要なので知っておきましょう。
いかがだったでしょうか。単振動だけでなく、ほかの運動でもこの変異と速度と加速度の微分と積分の関係は成り立っているので、ぜひ他の運動でも計算してみてください。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)単振動の解説一覧
②単振動の速度と加速度を微分で導く(合成関数の微分を使っています)
(5)参考
☆物理の解説動画・授業動画一覧(力学・熱力学・波動・電磁気・原子)
☆物理に関する現象や技術(力学、熱力学、波動、電磁気、原子)