小説の読み方

小説で読み解くべきことは、「作者はどこでどのように我々を感動させようとしているか」です。

小説は、読者を感動させようとしたり驚かせようとしたりするために書かれています。そこで、入試では「作者が」どこに、その感動ポイントや驚きポイントを文章で表現したかを問います。

大事なのは、「作者が」どう意図したかであって、読者(問題を読んでいる人)がどこで感動するかではありません。これが一般的に小説問題の解き方として言われている「主観的に読むな」ということの意味です。

そこで必要になるのが、

①一般人(「常識」を備えた人)の視点、素直さ
②教養と作者の価値観
③伏線の分析、登場人物の心情の変化の分析(動作、セリフ、情景描写)

です。

①作者が感動させようとしているところで、素直に感動してください。作者が驚かせようとしているところで素直に驚いてください。少なくとも問題を解いている間だけは。

②あくまで入試問題として問われるのは、「作者が」どこでどのように「作者にとって一般的な」読者を感動させ、驚かせようとしているかです。
そのため、「作者」がどのような文脈で作品を書いているかが分かると、作者にとっての常識や問題意識、価値観などを共有することができ、かなり読みやすくなります。

③ただ漫然と読むのではなく、「分析的に読む」ことが現代文では大切です。そのためには、「登場人物はなぜこのようなことをしたのだろう? このようなことを言ったのだろう?」「筆者はなぜこのような表現をしたのだろう?」といった視点で読まなければいけません。
そして、そのように読むためには①と②が必要となるわけです。

※これはあくまで入試としての小説を読むときの読み方であります。趣味や娯楽として小説を読むときは、好きなように自由に読んでください。

小説を分析的に読み方法はこちら→小説を分析しながら読む