全体を共通因数でくくる→最低次数の文字で整理する

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「全体を共通因数でくくる→最低次数の文字で整理する」この2つの操作を必ずすることが、因数分解の基本。

※共通因数でくくるときは、「全体を」くくらないといけない。一部だけを共通因数でくくっても因数分解をしたことにはならない。

※数学において「文字で整理する」「文字でまとめる」とは「降べきの順に並べる」ということを意味している。

①9a3x2y−45ax3y2+18a2xy3

=9axy(a2x−5x2y+2ay2)

②6a3b−24ab3

=6ab(a2−4b2)
=6ab(a+2b)(a-2b)

③9b2+3ab−2a−4

=(3b−2)a+9b2−4
=(3b−2)a+(3b+2)(3b−2)
=(3b−2)(a+3b+2)

※aの次数は1、bの次数は2なので、aで整理する。
※3b−2を1つのかたまりとして考える。

④x3−x2y−xz2+yz2

=(z2−x2)y+x3−xz2
=(z2−x2)y−x(z2−x2)
=(z2−x2)(y−x)
=(z+x)(z−x)(y−x)
=(x−y)(x−z)(x+z)

※xの次数は3、yの次数は1、zの次数は2なので、yで整理する。
※z2−x2を1つのかたまりとして考える。
※(z+x)(z−x)(y−x)が答えでもよいが、(x−y)(x−z)(x+z)としたほうが見た目がよい。
※(z−x)=−(x−z)、(y−x)=−(x−y)としている。

⑤1+2ab+a+2b

=(2b+1)a+2b+1
=(a+1)(2b+1)

※aの次数は1、bの次数は1なので、どちらで整理してもできる。
※2b+1を1つのかたまりとして考える。

⑥x2−xy−2y2−x−7y−6

=x2+(−y−1)x−2y2−7y−6
=x2+(−y−1)x−(y+2)(2y+3)
={x+(y+2)}{x−(2y+3)}
=(x+y+2)(x−2y−3)

※xの次数は2、yの次数は2なので、どちらで整理してもできる。
※y+2と2y+3をかたまりとして考える。

⑦3x2+7xy+2y2−5x−5y+2

=3x2+(7y−5)x+2y2−5y+2
=3x2+(7y−5)x+(y−2)(2y−1)
={x+(2y−1)}{3x+(y−2)}
=(x+2y−1)(3x+y−2)

※xの次数は2、yの次数は2なので、どちらで整理してもできる。
※y−2と2y−1をかたまりとして考える。

⑧a2b+ab2+b2c+bc2+c2a+ca2+2abc

=(b+c)a2+(b2+2bc+c2)a+b2c+bc2
=(b+c)a2+(b+c)2a+(b+c)bc
=(b+c){a2+(b+c)a+bc}
=(b+c)(a+b)(a+c)
=(a+b)(b+c)(c+a)

※aの次数は2、bの次数は2、cの次数は2なので、どれで整理してもできる。
※b+cを1つのかたまりとして考える。
※(b+c)(a+b)(a+c)でもよいが、(a+b)(b+c)(c+a)の方が見た目がよい。

⑨a2(b−c)+b2(c−a)+c2(a−b)

=(b−c)a2+(−b2+c2)a+b2c−bc2
=(b−c)a2−(b+c)(b−c)a+(b−c)bc
=(b−c){a2−(b+c)a+bc}
=(b−c)(a−b)(a−c)
=-(a−b)(b−c)(c−a)

※aの次数は2、bの次数は2、cの次数は2なので、どれで整理してもできる。
※b−cを1つのかたまりとして考える。
※因数分解は最後までする。
※(b−c)(a−b)(a−c)が答えでもよいが、−(a−b)(b−c)(c−a)の方が見た目がよい。
※(a−c)=−(c−a)としている。

⑩a2(b+c)+b2(c+a)+c2(a+b)+3abc

=(b+c)a2+(b2+c2+3bc)a+bc(b+c)
={a+(b+c)}{(b+c)a+bc}
=(a+b+c)(ab+bc+ca)

※aの次数は2、bの次数は2、cの次数は2なので、どれで整理してもできる。
※aで整理した後の式でたすき掛けをしている。

⑪a3(b−c)+b3(c−a)+c3(a−b)

=(b−c)a3+(−b3+c3)a+b3c−bc3
=(b−c)a3−(b−c)(b2+bc+c2)a+bc(b+c)(b−c)
=(b−c){a3−(b2+bc+c2)a+bc(b+c)}
=(b−c){(c−a)b2+(−ac+c2)b+a3−ab2+ac2}
=(b−c){(c−a)b2+c(c−a)b−a(c+a)(c−a)}
=(b−c)(c−a){b2+cb−a(c+a)}
=(b−c)(c−a){(b−a)c+b2−a2}
=(b−c)(c−a){(b−a)c+(b+a)(b−a)}
=(b−c)(c−a)(b−a)(c+b+a)
=−(a−b)(b−c)(c−a)(a+b+c)

※aの次数は3、bの次数は3、cの次数は3なので、どれで整理してもできる。
※(b−c)を1つのかたまりとして考える。
※{ }の中でも、「最低次数の文字で整理する」というルールを適用する。
※(c−a)、(b−a)をかたまりとして考える。
※(b−c)(c−a)(b−a)(c+b+a)が答えでもいいが、−(a−b)(b−c)(c−a)(a+b+c)の方が見た目が良い。
※(b−a)=−(a−b)としている。