1つの漢字が様々な品詞になる(漢文文法)

(1)漢文においては、日本語の感覚では名詞に思える漢字でも動詞になったりなど、1つの漢字が様々な品詞になることがあります。

そのため、複数の品詞が考えられる場合は、語順によって品詞を確定させる必要があります。

①名詞と動詞

【例】

項王軍壁垓下(項王の軍垓下に壁す)

→「項王軍」が主語であるのはすぐにわかる。そして、「垓下」が地名であると分かれば、「壁」が動詞になるしかない。

→日本語の感覚では「壁」は名詞だが、語順から動詞であると判断できる(この判断をする力こそ文法力)

→日本語の「壁」のニュアンスを残して、動詞「壁」を訳すと、「立てこもる」や「布陣する」などとなる。

→日本語で動詞の用法がない漢字を動詞として訓読するときは、サ変動詞「す」を補う。

②「何」:5W1H の全ての疑問を表すことができる。つまり、文脈によって品詞を変えることができる。

※参考:疑問・反語形を文法的に考える