音が同じなら意味が同じになる(漢文文法)

漢字には表音文字としての側面もあり、音が同じ(似ている)なら、本来の意味以外の意味を持つこともある。

①烏・悪:ともに「いずくンゾ~」と訓読し反語を表す。

→烏(カラス)が紛らわしいものの例えとして使われていたので、疑問を表すようになり、やがて反語となった、という説がある。

→「烏(音読み:ウ)」と音の似ている「悪(音読み:オ)」が「烏」と同じ意味を持つようになった。

②焉・安:ともに「いずくンゾ~」と訓読し反語を表す。

→「焉」という漢字が「烏」と似ているところから、疑問を表すようになり、やがて反語となった、という説がある。

→「焉(音読み:エン)」と音の似ている「安(音読み:アン)」が「焉」と同じ意味を持つようになった。

③豈:「あニ」と訓読し反語を表す。

→「何以(音読み:カイ)」と音が似ている「豈(音読み:ガイ)」が疑問の意味を持ち、やがて反語となった。

④盍・蓋:「なんゾ~ざル」と訓読(再読文字)し反語を表す。

→「何不(音読み:カフ)」と音が似ている「盍・蓋(音読み:カフ)」が疑問の意味を持ち、やがて反語となった。

⑤勿=毋

→「毋」の原義は「不倫するもの」。そこから禁止の意味が生じた。そして、「毋(音読み:ブ)」とにている音の「勿(音読み:ブツ)」が禁止の意味となった。

⑥不=弗

→「弗」は「払う」という意味の漢字。そして、「弗(音読み:フツ)」と音が似ている「不(音読み:フ)」が否定の意味となった。

⑦耳=而=爾=已:全て「のみ」と訓読する。

→「已」は元々finishの意味の動詞であり、「而」は順接・逆接どちらも表せる接続詞。

→よって、「而已」は「そして、これで終わり」という意味になり、「のみ」という限定の意味となる。

→そして、「而已(音読み:ジイ)」と音が似ている「耳(音読み:ジ)」「而(音読み:ジ)」「爾(音読み:ジ)」が「のみ」と訓読する限定の意味となる。

⑧独=特:「たダ」と訓読する。

→「独(音読み:トク)」の意味はonlyであり、同じ音の「特(音読み:トク)」も同じ意味になった。

⑨止=只=翅=祇=啻:「たダ」と訓読する。

→「止」がfinishの意味で「已」と同じ意味。「止」「只」「翅」「祇」「啻」はすべて音読みが「シ」。

⑩単=但:「たダ」と訓読する。

→「単」がonlyの意味で、「単」「但」はともに「タン」と音読みする。

⑪唯=惟:「たダ」と訓読する。

→「已」「唯」「惟」はすべて音読みが「イ」。