短絡(ショート)

(1)例題

抵抗値10Ωと30Ωの二つの抵抗を、図aおよび図bのように接続し、直流電源で10Vの電圧を加えた。それぞれの回路において、30Ωの抵抗に流れる電流I1とI2の値を求めよ。

図a

図b

(2017年センター試験本試物理基礎第2問B問4)

(2)答案

30Ωの抵抗と10Ωの抵抗は直列に接続されているので、これらの合成抵抗値R〔Ω〕は
R=30+10=40〔Ω〕
よって
I1=10/40=0.25〔A〕

回路は図の中央の導線で短絡(ショート)しているので、10Ωの抵抗には電流が流れず、10Vの電源からの電流が流れているのは30Ωの抵抗だけである。
よって
I2=10/30=0.333≒0.33〔A〕

(3)解法のポイント

導線は抵抗が0であるとみなします。そのため、導線と抵抗が並列でつながれているとき、電流は導線の方だけに流れます。このことを短絡(ショート)といいます。

(4)必要な知識

①オームの法則

(5)理解すべきこと

回路は水路をイメージすると理解しやすくなります(キルヒホッフの第1法則、キルヒホッフ第2法則、抵抗の合成についても解説しています)

電流の表し方は3通りあります(電流の定義、自由電子の動きと電流、オームの法則、抵抗とは何か、抵抗率についても解説しています)