大学受験で成功するための睡眠とは? 睡眠の質を高めるためにやるべきことをまとめます!

「良質な睡眠をとること」は、ある意味で最も基本的な勉強法と言えるかもしれません。

睡眠中に記憶や情報の整理と定着が行われていると言われています。そのため、例えば英単語を頑張って覚えたとしても、しっかりと睡眠をとらなければ、覚えたことが頭に残らなくなってしまうのです。

あるいは、しっかりと睡眠をとるために、多少起きている時間(勉強時間)を減らしたとしても、睡眠中の記憶の定着率が上がることで、結果的なインプットの効率が高まるということも十分にあり得ます。

したがって、大学受験で成功するためには、なるべく睡眠の質を高めたいところです。

※徹夜をすると、酔っ払いと同じぐらいの脳のパフォーマンスになってしまいます。そのため、徹夜は無意味なだけでなく、害があるのでやめましょう。

(1)理想的な睡眠時間は?

一般的には「最低でも6時間は寝ないといけない、できれば8時間は寝るべきである」と言われていますが、これは絶対的な正解ではなく、人によって違います。

ただ、ある程度確信を持って言えそうなことは、「睡眠時間が短すぎるのは絶対によくない」ということです。そのため、どんなに忙しくても6時間以上の睡眠時間は確保したいところです。(生物学的に人間には6時間以上の睡眠が必要であると言われています。)

※世の中には「ショートスリーパー」と呼ばれる人がいます。ショートスリーパーとは1日3~4時間以下の睡眠時間で、日中に十分な活動ができる人たちのことです。ただ、ショートスリーパーはかなり稀で、世の中にいる「自分はショートスリーパーだ」と言っている人のほとんどは、自称か思い込み(無理しているだけ)だそうです。

上でも書いた通り、睡眠は記憶の定着のために重要なので、いかに勉強時間を増やしたいからといっても、睡眠時間を削る方向で考えるのはやめた方がよいです。

したがって、6時間以上で自分にとってのベストな睡眠時間を、いろいろ試したりして探してみるということが必要だと思います。

※目安として、平日と休日の睡眠時間の格差を調べてみてください。平日と休日で睡眠時間に2時間以上の格差がある場合は、慢性的な睡眠不足になっていると言われています。

※もう一つの目安として、昼間に寝ようとしたときに8分以下で眠れてしまう人は睡眠不足と言われています。

(2)睡眠の質を高めるためにできること

それでは、睡眠の質を高めるためにできることを、いくつか列挙します。実際に自分で試してみて、自分にあった睡眠法を探してみましょう。

①寝る前にスマホを見るのをやめる

スマホ・パソコン・タブレット等から出るブルーライトは、脳が「昼である」と誤認してしまうのでよくありません。

②寝室の環境を整える:光

なるべく暗くすることが重要です。明るくても眠れるという人がいますが、光そのものに覚醒作用があるので暗くした方がよいです。

遮光カーテンなどで外の光を入れない工夫をするのもよいでしょう。

また、朝の光を入れるようにするとより良いです。朝の光によって、脳が「朝になった」と認識して、頭が覚醒するからです。

③寝室の環境を整える:音

なるべく静かになるようにしましょう。特に人の声は聞こえないようにすることが重要です。

聴覚は寝ている間もずっと働き続けているため、人の声が聞こえ続けている環境だと深く眠ることができません。テレビ・ラジオをつけっぱなしにするのは最悪であると言えます。

耳の違和感が不快でないのなら、イヤホンや耳栓をするのもよいでしょう。

④寝室の環境を整える:温度

朝まで快適な室温を保つことが重要です。

「エアコンをつけっぱなしで寝ると体に悪い」とよく言われますが、これには全く根拠はありません。ただし、エアコンの風が直接体に当たるのはよくないので、風の向きは調整する必要はあります。

快適な室温は人によって違うので、いろいろ試してみて自分にとってベストな室温を探しましょう。一般的には、普段起きているときよりも1~2℃高いのが快適であると言われています。

⑤寝る4~5時間前以降はカフェインを摂らない

カフェインには覚醒作用があるので、睡眠が浅くなってしまいます。そのため、寝る前にコーヒーなどを飲むと睡眠の質が悪くなります。

※ちなみに、アルコール自体には催眠作用がありますが、アルコールから変化してできるアセトアルデヒドには覚醒作用があります。そのため、大人になっても寝酒をしてはいけません。

⑥寝ているときはくつ下をはかない方がよい

寝ているときは、手足から体内の熱を放出しています。そのため、その熱の放出を妨げない方がよいと言われています。

ただし、冷え性などで手足が寒すぎて眠れない場合は、くつ下などを利用しましょう。

⑦寝る直前の飲食は避ける

消化器官が働いていると寝にくくなるので、寝る直前の飲食は避けるようにしましょう。

ただし、白湯は飲むとよいという話もあるので、試しみてもよいでしょう。

※白湯(さゆ):一度沸騰させて40℃程度に冷ましたお湯のこと。一度沸騰させるのは水道水に含まれる塩素を飛ばすためなので、市販のミネラルウォーターやウォーターサーバーなどを使用する場合は、わざわざ沸騰させる必要はありません。

⑧お風呂は寝る90分以上前に入るとよい

お風呂にゆっくりつかることは睡眠によい影響を与えると言われています。

ただし、体温を下げないと眠ることができないので、体温を下げる時間が必要です。15分の入浴に対して90分程度の体温を下げる時間が必要であると言われています。

⑨リラックスする

睡眠前は頭を使わずぼーとしておくと眠りやすくなります。そのため、寝る直前はリラックスをしましょう。

  • 軽いストレッチをする
  • リラックスできる音楽を聴く

など、自分がリラックスできることをしましょう。ただし、スマホの操作はしない方がよいです。

⑩一定の時間に寝て、一定の時間に起きる

就寝と起床のリズムを作っておくことが重要です。

特に知っておきたいのは、就寝時間を早めることは難しいということです。つまり、特定の日だけ早く寝るというのは難しく、なかなか眠れず逆効果になってしまうことがあります。

⑪適度な運動

適度な運動(特に有酸素運動)が睡眠に良い影響を与えると言われています。

ただし、どのタイミングで運動をするのがよいか(朝がよい人もいれば昼がよい人もいる、寝る直前はNG)は人それぞれなので、自分のベストなタイミングを探してみましょう。

(3)眠れないときにやるべきこと

①気にしない

まず、何か強いストレスになるようなことがあると1~2週間は良く眠れないということは正常ですので、あまり気にする必要はありません。

ただし、これが長引いてしまい固定化することは危険ですので、それは避けるべきです。

②眠くなるまでベッドに入らない

「眠くなったらベッドに入り、ベッドに入って数分で寝る」というのが理想です。そのため、眠くなるまではむしろ起きておいた方がよいです。

逆に、「眠くないのにベッドに入っている」状態を続けてしまうと、「ベッドでは眠れない」という条件付けになってしまう危険性があるので、避けた方がいいです。(これが慢性不眠症の入り口となってしまいます。)

もし、寝ようと思っても目がさえてしまって眠れない場合は、ベッドから出てしまった方が良いです。そして、リラックスできることをして、またベッドに戻るようにしましょう。

③仮眠をとる。

☆仮眠について詳しくはこちら→仮眠を計画的にとろう! 昼寝を導入しよう!

(4)睡眠に関する基礎知識

①睡眠サイクル

ノンレム睡眠→レム睡眠(約1時間30分の周期)を繰り返している。(必ずノンレム睡眠が先に来る。)

  • ノンレム睡眠:眼球運動を伴わない深い睡眠。脳も身体も休息している。
  • レム睡眠:睡眠中に眼球が素早く動いている睡眠。「浅い睡眠」と一般的に言われているが、実は浅くない。脳は外界刺激から隔離されている状態になっている。記憶の整理に関わっていると言われている。

一番深い眠りは最初にやってくる。

夜の前半はノンレム睡眠が多く、後半はレム睡眠が多い。

中途覚醒

睡眠の途中で覚醒すること。

若年層であれば中途覚醒は起きにくいが、高齢者であれば中途覚醒はたびたび起こる(ただし、これは健常であり、気にする必要はない)。若者も中途覚醒をしている場合もあるが、記憶に残りにくい(自覚できない)。

最初の1~2サイクルがゴールデンタイム?

誤り。レム睡眠が5%減るごとに死亡率が13%増えるという研究結果がある。

ただし、一番深い眠りが最初にやってくるのは正しい。

②睡眠の謎

なぜ眠らなければならないのか?

→明らかに生物にとってリスクの高い行動なのに、なぜほぼすべての生物は眠るのか?

→眠らないでも活動できるように進化した生物が出現すれば繁栄できるはずなのに、そのような生物は現れない。

→断眠を続けると死ぬ。マウスだと10日程度で死ぬ(絶食よりも早く死ぬ)。

そもそも眠気の実体は?

→「なぜ眠くなるのか」が未だ不明。

→「眠気」の脳の状態も不明。

③睡眠中に起きていること

脳は休んではいない。何らかのメンテナンス作業をしている(何のメンテナンスかは不明)。

外界とは隔離されているが脳は働き続けている。コンピューターでいうところのオフラインメンテナンスをしている。

④眠くなる仕組み

恒常性制御

→長く起きていると眠くなるということ。しかし、何が(脳の器官、体内物質など)「眠気」に当たるのかがわかっていない。

体内時計による制御

目の奥にブルーライト(青空の色)を識別する器官(マスタークロック)がある。それによって、昼と夜を判断している。

→夜にブルーライトを浴びると「まだ昼である」と誤認してしまう。

→朝の早い時間に光を浴びると体内時計がそこから進む。

⑤寝不足だとどうなるのか

徹夜明けの脳のパフォーマンスは酩酊状態と同程度まで低下。

寝不足(6時間以下の睡眠)だと脳のパフォーマンスは低下する。しかし、自覚的な眠気はそこまで上がらない。つまり、そこまで眠くならないけど、脳のパフォーマンスは下がっている状態になる。

睡眠負債を返すのには4日程度かかると言われている。

免疫力が落ちる。なぜ落ちるのかは不明。


~参考~

【大学受験で成功するための100か条】大学受験で成功するためにやらなければいけないことを100個にまとめました!

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解説動画・授業動画一覧(英語・数学・国語・理科・社会・小論文・勉強法)

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大学受験で成功するためにやるべきこと一覧

(1)大学受験で成功するための勉強量

(2)大学受験で成功するための生活習慣

(3)大学受験で成功するための目的意識

(4)学習計画の王道

(5)勉強法の王道

(6)思考力

(7)大学受験で成功するための課外活動(部活)

(8)大学受験で成功するための精神力