(1)例題
熱容量がCA=3.0×102J/Kで温度が50℃の物体Aと、熱容量CBで温度が18℃の物体Bを接触させた。十分長い時間が経った後、両者の温度は30℃になった。
①物体Aが物体Bに与えた熱量を求めよ。
②物体Bの熱容量CBを求めよ。
(2018年センター試験本試物理基礎第1問問5より)
③熱が高温物体から低温物体へ移動する現象は、可逆変化か不可逆変化か。
(2016年センター試験本試物理第1問問5)
(2)答案
①物体Aが物体Bに与えた熱量をQA、物体Aの温度変化をΔtA〔K〕とすると
QA=CAΔtA=3.0×102×(50−30)=6.0×103J
②熱量保存則より、物体Bが吸収した熱量はQAである。よって、物体Bの温度変化をΔtB〔K〕とすると
6.0×103=CBΔtB
CB=6.0×103/(30−18)=5.0×102J/K
③不可逆変化
(3)解法のポイント
熱量の計算は単位をよく見ましょう。そうすれば、立式で間違えることはなくなります。
また、熱量保存則も重要な法則です。忘れないようにしましょう。
③周囲に何の変化も残さずに、自然に元の状態に戻り得る変化を可逆変化といい、そうでない変化を不可逆変化という。熱が低温物体から高温物体へ自然に移動することはないので、熱の移動は不可逆変化である。
(4)必要な知識
②熱量
(5)理解すべきこと
☆熱に関する現象は粒子で考えましょう解説動画(熱運動、熱量とは何か、熱と温度の違い、状態変化、熱振動、熱膨張、融解熱、蒸発熱、潜熱、凝縮熱、凝固熱)
~参考~
☆物理の解説動画・授業動画一覧(力学・熱力学・波動・電磁気・原子)