漸化式と数学的帰納法の解法パターン(問題と答え)

☆問題のみはこちら→漸化式と数学的帰納法の解法パターン(問題)

①an+₁=an+d が意味すること

→「ある項にdを足すと次の項になる」ということを表している。すなわちanは等差数列。

②an+₁=ran が意味すること

→「ある項にrをかけると次の項になる」ということを表している。すなわちanは等比数列。

③an+₁=an+f(n) (f(n)はnを含んだ式という意味)が意味すること

→「ある項とその次の項の差が、数列になっている」という意味の漸化式。この差f(n)はを階差数列。

④an+₁=pan+qの形の漸化式を解くときにまずやることは?

→α=pα+q(特性方程式)を解いて、αを求める

⑤漸化式の基本にして奥義は?

→ⅰ)左辺をn+1、右辺をnにする

ⅱ)置き換える

ⅲ)より簡単な漸化式になる

⑥隣接3項間漸化式を解くときにまずやることは?

→an+₂をx²、an+₁をx、anを1とおいた二次方程式を解き、xの値を求める

⑦数列の問題でn-1を扱うときの注意点は?

→n≧2の場合分けをして、あとでn=1の確認をする

⑧Snの式が与えられているときの初項は?

→a₁=S₁

⑨Snの式が与えられているときの一般項は?

→an=Sn-Sn-₁

⑩図形の問題から漸化式を作るときの考え方

→ⅰ)n番目のときの図と、n+1番目のときの図をかく

ⅱ)三角比や相似などを使って、nとn+1を含んだ漸化式を作る

⑪等式を数学的帰納法を使って証明するときに気を付ける点4つ

→ⅰ)等式の証明なので、

(左辺)=……

(右辺)=……

(左辺)=(右辺)なので、この等式は成り立つ

のフォーマットを使う

ⅱ)「n=kで成り立つと仮定する」ものは、仮定なので証明で使用してよい

ⅲ)「n=k+1のときも、この等式が成り立つこと」を証明している(何を証明しているか見失わない)

ⅳ)仮定で成り立つとした等式を利用するために、仮定の左辺の形をムリヤリ作る

⑫不等式を数学的帰納法を使って証明するときに気を付ける点4つ

→ⅰ)不等式の証明なので、

(左辺)-(右辺)=……

=……

>0

よって、この不等式は成り立つ

のフォーマットを使う

ⅱ)「n=kで成り立つと仮定する」ものは、仮定なので証明で使用してよい

ⅲ)「n=k+1のときも、この不等式が成り立つこと」を証明している(何を証明しているか見失わない)

ⅳ)仮定で成り立つとした不等式を利用するために、仮定の左辺の形をムリヤリ作る

※不等式を利用する場合は、=が>に変わることに注意

⑬通常の解法では解けない漸化式の一般項を求めるときはどうする?

→ⅰ)n=1、n=2、n=3……と代入していき、一般項を予想

ⅱ)その予想を数学的帰納法によって証明する

⑭xⁿ+yⁿが絡んだ証明を数学的帰納法によってする場合の仮定

→「n=kのときと、n=k-1のときの両方で成り立つと仮定」する

※最初に「n=1のとき成り立つことを証明する」だけでなく「n=2のときも成り立つことを証明」しないといけない

⑮等式に1、2、3……、nが含まれる証明を数学的帰納法によってする場合の仮定

→n≦kのとき成り立つと仮定する