①語順変化が起きやすい
→強調、バランス、リズム、対句などによる倒置
※特にバランスやリズムを重視する傾向が強く、そのための語順変化を厭わない。
【例】
「陥子之楯以子之矛」よりは「以子之矛陥子之楯」の方が好まれる。
→「陥」という動詞を支点に前後のバランスをとった形が美しいとされている。
「漢軍及諸侯兵数重囲之」が文法的に正しい語順だが、「漢軍及諸侯兵囲之数重」とする。
→「漢軍及諸侯兵」という主語が長く、代名詞「之」が動詞「囲」の目的語だが、動詞の後ろが短い代名詞だけなのはバランスが悪い。
※参考:漢文文法から考える形容動詞
② 省略できるものは省略する
→前置詞、主語(前と同じ、一般人称)、時制、接続詞
※対句(文法的に同等)→後半は可能な限り省略
※特にバランスやリズムを重視する傾向が強く、そのための省略を厭わない。
③修飾語(句・節)は被修飾語の前が原則(日本語的)
④ 疑問文による倒置はない(日本語的)
※疑問詞は先置が主流(英語的)
⑤一つの漢字で複数の品詞や時制を表すことができる。
→日本語の感覚では、違和感を感じることも多い。そのような場合は、語順で判断する。(そのためには、文型の理解が必須)
⑥なるべく同じ漢字を使わないようにする。
⑦音が同じ漢字は意味も同じように使われることがある