混合型の仮定法の解説(「仮定法過去完了→仮定法過去」、「仮定法過去→仮定法過去完了」)【英文法のすべて】

(1)解説授業動画

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(2)解説授業の原稿

混合型の仮定法とは

今回は混合型の仮定法の解説をします。

なお仮定法の構造や意味については、理解できている前提で話を進めます。もしそれらの理解が不十分な場合は、まずそちらの解説をご覧になってください。

混合型の仮定法とは、条件節が仮定法過去完了で帰結節が仮定法過去のものや、条件節が仮定法過去で帰結節が仮定法過去完了のものです。

このような混合型になった場合、どのような意味になるのか例文を使って確認します。

仮定法過去完了と仮定法過去の確認

まずは、仮定法過去完了と仮定法過去の形を確認します。

仮定法過去完了は条件節つまりif節の中では、過去完了形(had+過去分詞)の形となっており、帰結節では「助動詞の過去形(would, could, might)+have+過去分詞」となっています。

そして、仮定法過去は、条件節では過去形となっており、帰結節では「助動詞の過去形(would, could, might)+動詞の原形」となっています。

そして、仮定法過去完了と仮定法過去において重要なことは、仮定法過去完了は過去のことを表し、仮定法過去は現在のことを表しているということです。この表している時が何より重要になります。

「仮定法過去完了→仮定法過去」のタイプ

それを踏まえて、

If he had not bought the car, he would have a lot of money now.

この例文を訳してみると、「もし彼が車を買わなかったら、彼は今ごろたくさんのお金を持っているのに。」といったような訳になります。

ポイントは、条件節は過去の話をしているので、過去の話と分かるように訳します。そして、帰結節は現在の話をしているので、「~した」のように過去を表す表現を使わないように注意します。

また、このタイプの混合型の仮定法には、帰結節にnowやtodayといった「今」を表す言葉がついていることが多いので、それを見落とさないように注意しましょう。

この例文は、「実際に過去に車を買ってしまったので、今彼はお金がない」ということを表しているのですが、このように条件節の表す時が過去で、帰結節の表す時が現在であれば、時間の流れが過去から現在となっており、理解しやすいと思います。

「仮定法過去→仮定法過去完了」のタイプ

では、条件節が仮定法過去、帰結節が仮定法過去完了のタイプの仮定法はどのようなときに使うのでしょうか。

まずは、

If he were not a rich man, he could not have bought the car.

この例文を訳してみます。「もし彼が金持ちでなければ、彼はその車を買えなかったのに。」といったような訳になります。

このタイプの仮定法のポイントは、条件節が「過去も現在も変わらない事実の反対」となっているということです。

つまり、この例文で言えば、「現実の彼はこの車を買った過去のある時点でも金持ちであり、そして、現在も変わらず金持ちである」ということを表しています。

特に人の性質を表すときに多いのですが、このように過去も現在も変わらない事実の反対を仮定する場合は、帰結節が仮定法過去完了であったとしても、条件節では仮定法過去を使います。

仮定法過去完了との違い

ちなみに、

If he had not been a rich man, he could not have bought the car.

このように条件節を仮定法過去完了で書くこともできます。

このように書いた場合は、「現実の彼はその時は金持ちだったけど、今は金持ちではない」ということを表します。

このように仮定法過去と仮定法過去完了で、表す内容が変わってくるので注意しましょう。

いかがだったでしょうか。混合型の仮定法もただ覚えようとするのではなく、このように仮定法過去完了と仮定法過去の原理から考えるようにすれば、理解しやすくなると思います。

(3)解説授業の内容を復習しよう

仮定法過去と仮定法過去完了

(4)仮定法(英文法)の解説一覧

仮定法過去と仮定法過去完了は原理から理解しましょう!(仮定法過去で過去形を使う理由、仮定法過去完了で過去完了形を使う理由、助動詞の過去形を使う理由)

混合型の仮定法の解説(「仮定法過去完了→仮定法過去」、「仮定法過去→仮定法過去完了」)

as if節の時制に注意しよう(仮定法過去と仮定法過去完了のどちらを使うべきか)

2つの仮定法未来(if S were to / if S should、if S shouldの訳し方、if S shouldの帰結節の特殊な点)

潜在仮定法(if節のない仮定法)の見抜き方のポイントは、弱い推量の助動詞のwould, could, mightがあるかどうかです。

仮定法現在とは何かの解説(that節の中でshould+動詞の原形または動詞の原形を使うとき、要求・命令・主張・提案の動詞の後のthat節、要求や願望の形容詞の後のthat節)

☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧

(5)参考

仮定法(英文法)の解説・授業・確認テスト一覧

英文法の解説動画・授業動画一覧

英文法確認テスト一覧

覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)

☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)

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