(1)例題
下図のように、水平面と角度θをなすなめらかな斜面上に、質量mの小物体を置く。小物体に力を加え、斜面に沿ってゆっくりと高さhだけ引き上げた。小物体に加えた力がした仕事を表せ。
(2018年センター試験本試物理基礎第1問問1)
(2)答案
小物体の元の力学的エネルギーをU、高さhまで引き上げたときの力学的エネルギーをU’とすると、運動エネルギーは変化しないので、
U’−U=mgh
となる。よって、小物体に力がした仕事はmgh
※小物体に加えた力をFとし、つり合いの式より、F=mgsinθ
また、小物体が動いた距離sは、s=h/sinθ
よって、求める仕事Wは
W=Fs=mgh
と仕事の定義を使って求めることもできる。
(3)解法のポイント
力学的エネルギーはその過程に関わらず、結果によって決まります。つまり、今回で言えば、斜面を上っていようが、紐で釣り上げようが、エレベーターを使おうが、hの高さまでゆっくりと移動させたのであれば、結果の力学的エネルギーは同じになります。
あとは、その変化量が、小物体にされた仕事となるのです。
(4)必要な知識
①仕事の定義
③仕事と運動エネルギーの関係
(5)参考
☆仕事とエネルギーの勉強法はこちら→仕事と力学的エネルギー
☆力学の勉強法はこちら→力学の勉強法