教養ノートを作ろう

読解力の基礎の3要素の1つである教養をストックするために、教養ノートを作りましょう。

長文(英語・現代文・古文・漢文)を読んだり、日々の生活や学習の中で調べたりしたことをメモするためのノートです。

(1)基本的な作り方

①ページの上部にテーマを書きます。

②テーマごとに教養をメモします。

③「メモ」でいいので、完全な文章である必要はなく、記号や図を活用したり、絵などをかいたりしてもOKです。

※むしろ、完全な文章を書かないようにしましょう。必要なことだけを抜き出し、ビジュアル的に分かりやすくまとめる能力も重要な力です。

(2)英語・現代文の教養(現代常識)のテーマ例

英語や現代文でテーマになるのは現代常識です。以下のようなテーマがあります。

①近代的な考え方とその批判、②環境問題、③交通、④生活、⑤医療・健康、⑤留学・英語教育、⑥グローバル化・国際社会、⑦日本文化・日本人の特徴、⑧政治、⑨経済、⑩生き方、⑪哲学、⑫読書、⑬文学、⑭旅行・レジャー、⑮労働・家事、⑯学校・教育・学問、⑰芸術(絵画・音楽・映画など)、⑱ロボット・テクノロジー、⑲戦争、⑳格差

その他にも自分でテーマを作ってみてもOKです(参考:現代社会に関する教養一覧

また、複数のテーマにまたがる場合は、どちらかに書くか、新たなテーマを作ってみましょう。

☆教養ノート書くときの視点☆
ⅰ)いつ・どこ・何が起きているのか・問題なのか
ⅱ)なぜそうなのか
ⅲ)誰が・どうすればよいのか
この3つのことを主にまとめるようにするとよいです。

(3)現代文(小説)の書き方

①作者がどのように読者を感動させようとしているか。
ⅰ)文章表現の仕方、ⅱ)比喩、ⅲ)伏線、ⅳ)ミスリード、ⅴ)カタルシス

②登場人物の心情の変化を、作者はどのように読者に伝えようとしているか。
ⅰ)文章表現の仕方、ⅱ)比喩、ⅲ)セリフ回し

③作者はどのように読者・常識を裏切ろうとしているか。
→「普通(常識)だったら~~だけど、この物語では……」

※あくまで「作者」のテクニックや意図を読み取るようにする。

(4)古文の教養(古文常識)

古文の教養(古文常識)をストックする場合は、以下の形に合わせてまとめるとよいでしょう。

①和歌の力(参考:和歌の力
ⅰ)どういった問題や困難があったか
ⅱ)和歌のすばらしい点
ⅲ)和歌の力でⅰ)がどのように解決したか

②恋愛(参考:恋愛(キーワード:垣間見・和歌の贈答・後朝の文)
ⅰ)恋愛の4段階(垣間見・和歌の贈答・後朝の文・結婚)のうちのどの段階か
ⅱ)セオリー通りか、もしセオリー通りでないのならどこが違うのか
ⅲ)結果(結ばれた、失恋した、出家(自殺)した)

③立派な僧とは(参考:仏教(キーワード:末法思想・宿世・「空」・無常)
ⅰ)登場人物の僧は、立派な僧か、そうではない僧か
ⅱ)それはなぜか

④出家(参考:仏教(キーワード:末法思想・宿世・「空」・無常)
ⅰ)なぜ出家しようとしているのか
ⅱ)なにが出家の妨げとなっているのか

⑤無常(参考:仏教(キーワード:末法思想・宿世・「空」・無常)
ⅰ)何が無常なのか
ⅱ)なぜ無常なのか

⑥宿世(参考:仏教(キーワード:末法思想・宿世・「空」・無常)
ⅰ)何と何が前世からの因縁で結ばれているのか
ⅱ)現世ではどうなっているのか

⑦当意即妙(和歌や発言などが)
ⅰ)何が、どのような状況に即しているのか
ⅱ)結果どうなったか(成功、出世、結婚など)

⑧風流
ⅰ)誰のどのような行動が風流とされているか
ⅱ)誰のどのような考え方が風流とされているか

☆その他教訓が書いてある文章は現代文のまとめ方(何・なぜ・どうすべき)、物語は小説のまとめ方(作者のテクニック・意図)を参考にまとめよう。

(5)漢文の教養(漢文常識)

漢文の教養(漢文常識)をストックする場合は、以下の形に合わせてまとめるとよいでしょう。

①賢者とは(参考:儒学的思想(キーワード:賢者・王道政治・聖人)
ⅰ)どういった人が賢者なのか、どういった行動が賢いのか
ⅱ)徳とは何か

②諫言(参考:良い臣下の条件(キーワード:諫言)
ⅰ)王のどういった行動を諫めようとしているのか
ⅱ)結果どうなったか(諫言を受け入れたのか否か、国は栄えたのか滅びたのか)

③反儒学的思想(参考:反学教的思想(キーワード:道家・無為自然・隠者)
ⅰ)儒学的思想の何を批判しているか
ⅱ)では、どのようにすればよいと言っているのか