恋愛(古文常識)

古文作品において、恋愛がテーマの作品はとても多いです。ここでは、恋愛の古文常識をまとめます。

(1)結婚までの流れ

まずは、古文の時代の恋愛の流れを確認しましょう。

①垣間見
②和歌の贈答
③後朝(きぬぎぬ)の文
④結婚

この流れが基本です。古文で恋愛がテーマのときは、この流れのうち、どの段階の話なのか、あるいはどの段階まで進んでいるのかをまず確認しましょう。

①男性が、女性を垣根越しに、あるいは御簾の隙間から見るところから恋愛が始まります。

②垣間見した男性が、その女性を気に入ると、まずその女性のもとに和歌を贈ります。
女性は贈られた和歌に、和歌でお返しをするのがマナーです。注意点としては、女性からの返歌の内容は、基本的に男性の求婚を拒否する内容になっています(「本気じゃないんでしょ?」「他の女にも同じことを言ってるんでしょ?」など)
そして、男性は、その女性からの返歌に対して、さらに和歌を返します。女性からは求婚を拒否する内容の和歌が贈られてくるので、それをいかに本気であるかを伝えるのかが、男性の器量の見せ所というわけです。
こうして何回か和歌のやり取りをすることで、お互いの心の距離を縮めていきます。

※ちなみに、本当に男性からの求婚を拒絶する場合は、そもそも和歌を返しません。拒否する内容であっても和歌を返しているということは、少しは気があることを意味しています。

③頃合いを見計らい男性は女性のもとへ訪れます。ここで女性が拒否しなければ、晴れて初夜を迎えます。
そして、初めての夜を終えた次の朝に男性は女性に必ず手紙を贈らないといけません。この手紙のことを、後朝(きぬぎぬ)の文といい、これをもって婚約が成立したとみなされます。

④結婚の実態は、
ⅰ)招婿婚(夫が妻の実家に迎えられる)
ⅱ)通婚・妻問婚(夫が妻の家に通う)
ⅲ)妻が夫の家に引き取られる
と様々あったようです。

※この基本の流れとなっていない場合も多く、そのような場合は、

①基本の流れとならなかった理由は何か
②どういう結末を迎えたか

を確認しましょう。基本の流れとならなかった場合、多くは悲恋となり、結末は出家または自殺となることが多いです。