変圧器と交流送電

(1)例題

①変圧器において、1次コイルの巻数N1と2次コイルの巻数N2の比が、N1:N2=10:1の場合、1次コイルに100Vの交流電圧を加えたとき、2次コイル側の電圧は何Vか。

②以下の文章中の(ア)~(ウ)に入れる式と語を答えよ。ただし、(ウ)は高いか低いかで答えよ。

発電所から送電線に送り出される交流の電圧をV、電流をIとすると、その電力は(ア)と表される。送電線の抵抗値がRであるとき、送電線で消費される電力は(イ)となる。したがって、同じ電力量を送る時、送電線での電力損失を小さくするためには、発電所で変圧器を使い、電圧を(ウ)して送電すればよい。

(2016年センター試験本試物理基礎第2問B)

(2)例題の答案

①1次コイル側の電圧をV1〔V〕、2次コイル側の電圧をV2〔V〕とすると
V1/V2=N1/N2
100/V2=10/1
∴ V2=10〔V〕

②ア:求める電力をP0とすると
P0=IV

イ:送電線で消費される電力ΔPは
ΔP=I2R

ウ:ΔPが送電線での電力損失である。このΔPを小さくするためには、送電線の抵抗値Rが一定であるから、(イ)よりIを小さくすればよい。また、波t伝書から送電線に送り出される電力P0は一定であるから、(ア)よりIを小さくするためにはVを大きくすればよい。すなわち、発電所では電圧を高くして送電すればよい。

(3)解法のポイント

変圧器の原理と、変圧器の使い方を問う問題です。

(4)必要な知識

①変圧器の原理