古文文法の学習はまずここから始めよう→歴史的仮名遣いのルール【古文文法のすべて】

(1)解説授業動画

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(2)解説授業の原稿

①「今回は歴史的仮名遣いについて解説します。

歴史的仮名遣いとは、平安時代の発音を元にした表記の仕方のことです。

発音は時代が進むにつれて変化してきたので、現代人である我々が歴史的仮名遣いで書かれた古文を読むためには、歴史的仮名遣いを現代の仮名遣いに直さないと理解しにくくなってしまいます。

今回は歴史的仮名遣いを現代の仮名遣いに直すためのルールをご紹介します」

②「まず1つ目のルールは、単語の先頭以外の『は・ひ・ふ・へ・ほ』は、現代では『わ・い・う・え・お』と読みます。例えば、歴史的仮名遣いで『おもふ』とあれば、現代では『おもう(思う)』と読みます。このように歴史的仮名遣いを現代の仮名遣いに直すと、その意味が分かりやすくなります。ただし注意しないといけないのは、単語の先頭が『は・ひ・ふ・へ・ほ』の場合は『わ・い・う・え・お』に直す必要はありません。

それでは2番目のルールです。2番目のルールは、歴史的仮名遣いで『くゎん・ぐゎん』となっていたら、現代では『かん・がん』と読みます。例えば、古文で『くゎんげん』と書いてあれば、現代では『かんげん(管弦)』と読み、古文で『ぐゎんりき』と書いてあれば、現代では『がんりき(願力)』と読みます。

3番目のルールは、古文で母音が『―au』『―iu』『―eu』となっていたら、現代では『おう』『ゆう』『よう』の音になります。このルールは例で確認してみると分かりやすいと思います。例えば、古文で『かうみゃう』と書いてあれば現代語では『こうみょう(高名)』と読みます。『かうみゃう』の音をローマ字で書いてみると、『kaumyau』になります。すると『かう』の母音の部分は『au』になっており、『みゃう』の母音の部分も『au』となっています。このように歴史的仮名遣いで母音が『au』の音になっている場合は、現代語では『おう』と読むので、『かう』は『こう』になり、『みゃう』は『みょう』になります。この他にも『せうそく(seusoku)』であれば『せう』の母音が『eu』なので現代語では『よう』と読み、『しょうそく(消息)』となります。また、古文で『てうず(teuzu)』とあれば、『てう』の母音が『eu』なので現代語ではやはり『よう』と読み、『ちょうず(調ず)』となります。また、歴史的仮名遣いで『しうげん(shiugen)』とあれば、『しう』の母音は『iu』となっているので、現代では『ゆう』と読むため『しゅうげん(祝言)』となります。

このように、歴史的仮名遣いを現代の仮名遣いに直すと意味が分かりやすくなります。

③「さらに、歴史的仮名遣いについて注意したいことが2つあります。現代の五十音ではヤ行は『や・ゆ・よ』の3つで、ワ行は『わ・を』の2つですが、歴史的仮名遣いではヤ行は『や・い・ゆ・え・よ』の5つであり、ワ行も『わ・ゐ・う・ゑ・を』の5つとなっています。特にワ行の『ゐ』と『ゑ』は現代では残っていない仮名なので注意しましょう。

例えば、現代語では『い(ア行)る』『い(ヤ行)る』『ゐる』は全て『いる』と読んでしまいますが、古文ではそれぞれ漢字のあて方も異なり(『入る・射る・居る』)、意味も変わっていきます。このように古文では、ア行・ヤ行・ワ行を区別しているので、注意しましょう。

そして最後のポイントは、歴史的仮名遣いでは『ぢ』『づ』を使います。現代語ではこの『ぢ』と『づ』は特殊な場合しか使いませんが、歴史的仮名遣いでは普通に使います。例えば、歴史的仮名遣いでは『はぢ(恥)』は『ぢ』を使い、その形容詞形の『はづかし(恥づかし)』は『づ』を使います。

いかがだったでしょうか。古文の読解においてどのような漢字を当てるかを考えることは非常に重要です。それができるようになるためにも、歴史的仮名遣いを現代の仮名遣いに直すためのルールは覚えておきましょう」

(3)解説授業の内容を復習しよう

歴史的仮名遣いのルール

(4)古文の基礎知識の解説授業一覧

古文文法の学習はまずここから始めよう→歴史的仮名遣いのルール

古文における品詞と活用の考え方(自立語、付属語、用言、活用語、活用形の判断の方法についても解説しています)

活用形の考え方の順番(①活用語の下を見る、②係り結び、③活用表)

(5)参考

古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

古文文法のすべて(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

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