再読文字を文法的に考える

「再読文字」という品詞は存在しない。つまり文法的に考えて「再読文字」というものは漢文にはない、ということになる。

再読文字とは、1つの漢字を古文和訳するときに、1つの古文単語で訳すことができなかった漢字のことである。

☆副詞と助動詞に分けて訓読する助動詞

※参考:漢文文法における助動詞

①未:have+not+過去分詞 ~ yet

→これにピッタリ当てはます助動詞は日本語にはないので「未だ~ず」と訓読する。

※「未嘗(未だ嘗て~ず)」はyetの副詞部分を強調されたもの。

②将:be about to

→「まさに~す」

③当・応:must

→推量の助動詞「べし」だけではmustの意味を表現しきれなかったので「まさに~べし」と訓読する。

④須:should, need

→「すべからく~べし」

⑤宜:may

→「よろしく~べし」

☆助動詞ではない再読文字

⑥猶:動詞

→「なほ~ごとし」

⑦蓋:反語を表す副詞

→「なんぞ~ざる」