(1)問題
①次の文章中の(ア)・(イ)に入れる語を答えよ。
電子が原子核のまわりを(ア)していると考えるラザフォードの原子模型では、電子が電磁波を放射して徐々に(イ)を失い、電子の軌道半径が時間とともに(ウ)なってしまうという問題があった。ボーアはこの問題を解決するために「原子中の電子は、ある条件を満足する円軌道上のみで運動している」という仮説を導入した。このとき、電子はある決まったエネルギーもち電磁波を放射しない、この状態を(エ)という。
さらに、「電子がある(エ)から別のエネルギーをもつ(エ)に移るとき、その差のエネルギーをもつ1個の(オ)が放出または吸収される」という仮説も導入し、水素原子のスペクトルの説明に成功した。
②量子数n(n=1, 2, 3, ……)の定常状態における円軌道の半径r、電子の質量m、電子の速さv、プランク定数hの間に成り立つ関係式を答えよ。
(2015年センター試験本試物理第6問問2問3)
(2)答案
①ア:円運動、イ:エネルギー、ウ:小さく、エ:定常状態、オ:光子
②
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(3)解法のポイント
定常状態を、ド・ブロイによって提唱された物質波の考えを用いると、波動としての電子が原子核を中心とする円軌道上にあたかも定常波をつくっている状態だと解釈されるようになりました。
また、原子中の電子は、電子の円運動の軌道の長さが、電子波の波長の整数倍であるような円軌道上のみで運動しており、これを量子条件といいます。
(4)必要な知識
①ボーアの量子条件
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②物質波(ド・ブロイ波)の波長
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