(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
今回はどの関係詞を使うのかを問題を解きながら解説します。
どの関係詞を使うのかを考えるときに重要な2つのポイント
まずは、どの関係詞を使うのかを考えるときに重要な2つのポイントを確認します。
まず1つ目は、先行詞が何であるかということです。そして2つ目は、関係詞より後ろの文で何が省略されているかということです。特に、この2つ目のポイントが重要です。
この2つのポイントについては別の動画で詳しく解説しているので、もしこの2つのポイントに関して理解が不十分な場合は、まずそちらの動画をご覧になってください。
例題1~3:主格か所有格か目的格か
それでは早速問題を解いていきましょう。以下の文の( )に入る関係詞を考えていきます。
- He is the boy ( ) is good at soccer.
- He is the boy ( ) mother is a pianist.
- He is the boy ( ) everyone likes.
まずは1番ですが、先行詞を見てみるとthe boyと人になっています。
次に関係詞よりも後ろの文を見て省略されているものが何かを考えていきます。今回は、関係詞より後ろのis good at soccerの文には主語が足りないことが分かります。そして、この主語の位置には、先行詞のthe boyあるいはheが省略されています。
よって、関係詞よりも後ろで省略されているのは名詞の主格なので、( )に入る関係詞は関係代名詞の主格であり、先行詞が人なので、( )に入るのはwhoということになります。
同様に2番も考えてみます。まずは先行詞を見て、先行詞はthe boyなので人となっています。
次に関係詞よりも後ろを見てみると、mother is a pianistとなっており、一見するとSVCの完全な文で省略されているものがないように見えます。しかし実は、所有格が省略されています。motherなどの可算名詞は基本的に冠詞(a, an, the)、あるいは、所有格(my, your, his, herなど)をつけずに使うことができないので、mother is a pianistだけでは完全な文とはなりません。今回は先行詞がthe boyなので、その所有格のthe boy’sあるいはhisが省略されています。
よって、( )に入る関係詞は関係代名詞の所有格で、先行詞が人なので、whoseとなります。
続いて3番も同様に考えてみます。先行詞はthe boyでやはり人を表しています。
次に関係詞より後ろを見てみると、everyone likesとなっています。likeは他動詞なので、後ろに目的語が必要です。しかし、今回はlikeの後ろに名詞がないので、このlikeの目的語が省略されているということになります。
- 英語を学習する上で必要な5文型の基礎知識(なぜ5文型を勉強する必要があるのか、文の要素S, V, C, Oと品詞、自動詞と他動詞、修飾語、補語の働き、各文型のポイントと訳し方についても解説しています)
先行詞のthe boyあるいはhimが省略されているので、( )に入る関係詞は関係代名詞の目的格となり、先行詞が人なのでwhomとなります。
ただ、whoの目的格はwhomとするのが正式な文法ですが、実際はあまりwhomは使われておらず、whoの目的格としてwhoを使うこともあります。また、関係代名詞の目的格は省略することができ、実際はほとんど省略されています。
以上のように、
- 先行詞は何か
- 関係詞より後ろの文で何が省略されているか
この2つのポイント、特に2番目のポイントをしっかりと文法的に考えることで、間違えることなく選ぶことができるようになります。
ちなみに、この3つの文を訳してみると、
- He is the boy who(that) is good at soccer.(彼はサッカーが上手な少年です。)
- He is the boy whose mother is a pianist.(彼は、母親がピアニストの少年です。)
- He is the boy whom(who/that/省略) everyone likes.(彼はみんなから好かれている少年です。)
となります。
例題4~7:関係代名詞か関係副詞か
それえは次は、以下の4つの( )に入る関係詞を考えていきます。
4. Hiroshima is the city ( ) I was born.
5. Hiroshima is the city ( ) I was born in.
6. Hiroshima is the city ( ) I went.
7. Hiroshima is the city ( ) I visited.
この4つの文の先行詞はすべてthe cityで、物あるいは場所を表しています。
あとは、関係詞より後ろを見ていきます。
まず4番と5番ですが、be born in ~で「~に生まれる」という意味の表現なので、4番は文末にin the cityが省略されており、この「前置詞+名詞」のかたまりはまとめて副詞句になるので、( )に入る関係詞は関係副詞となり、先行詞が場所を表しているので、( )に入る関係詞は関係副詞のwhereということになります。
あるいは、先行詞のthe cityだけに着目して、the cityは名詞で、前置詞の後ろは名詞の目的格となるので、この( )の部分にはin whichを入れることもできます。
そして、5番はinが省略されずに残っており、省略されているのはthe cityだけなので、( )に入る関係詞は先行詞が物であることを考えると、関係代名詞の目的格のwhichということになります。
また、関係代名詞のwhoとwhichの主格と目的格は、thatとすることもできるので、5番の( )に入る関係詞はthatとすることもできます。さらには、関係代名詞の目的格は省略されることも多いです。
ちなみに、4番をin thatとすることはできません。なぜなら、関係代名詞のthatは前置詞の後ろで使うことはできないからです。
また、先ほど伝え忘れてしまいましたが、1番と3番のwhoやwhomもthatにすることができます。
続いて、6番と7番を考えてみましょう。
6番と7番は関係詞よりも後ろの文の動詞が違います。この動詞の違いによって、使える関係詞が変わってきます。
wentつまりgoは自動詞で、visitは他動詞です。
自動詞は後ろに目的語を書いてはいけない動詞なので、goを使って「~へ行く」と言いたい場合は、前置詞のtoを使います。したがって、4番と同様に「前置詞+名詞」のかたまりは副詞句なので、6番の( )に入る関係詞は関係副詞のwhere、あるいは、前置詞+名詞と考えてto whichが入ります。
それに対して他動詞は目的語をとらないといけない動詞なので、7番の文末には目的語のthe cityが省略されています。よって、the cityは物なので、7番の( )に入る関係詞は、関係代名詞の目的格のwhichあるいはthatということになります。こちらも5番と同様に、関係代名詞の目的格は省略されることも多いということは注意しておきましょう。
- 英語を学習する上で必要な5文型の基礎知識(なぜ5文型を勉強する必要があるのか、文の要素S, V, C, Oと品詞、自動詞と他動詞、修飾語、補語の働き、各文型のポイントと訳し方についても解説しています)
このように使う関係詞を考えるときは、物だからwhich、あるいは、場所だからwhereといったように短絡的に考えるのではなく、関係詞の後ろに続く文を文法的に考えて、省略するものに対応した関係詞を使うようにしましょう。
4. Hiroshima is the city where(in which) I was born.(広島は、私が生まれた街です。)
5. Hiroshima is the city which(that/省略) I was born in.(広島は、私が生まれた街です。)
6. Hiroshima is the city where(to which) I went.(広島は、私が行った街です。)
7. Hiroshima is the city which(that/省略) I visited.(広島は、私が訪れた街です。)
例題8~10:どの関係副詞か
それでは、次は以下の3つの( )に入る関係詞を考えていきます。
8. Today is the day ( ) we go shopping.
9. The reason ( ) she cried is not clear.
10. I want to know ( ) you achieved the goal.(私は、あなたが目標を達成した方法を知りたい。)
まず、8番ですが先行詞はthe dayとなります。
そして、関係詞よりも後ろの文を見てみると、we go shoppingで「私たちは買い物に行く」となっており、文の要素は全てそろっています。しかし、関係詞を使う以上、必ず、関係詞よりも後ろの文で省略されているものがあります。文の要素がそろっている場合は、省略されているのは文の要素にならない副詞ということになります。よって、先行詞がthe dayであることを考えて、the dayを副詞にするために前置詞のonをつけて、on the dayという副詞句が文末に省略されていると考えることができます。
したがって、先行詞が時を表しているので、8番の( )に入る関係詞は関係副詞のwhen、あるいは、the dayだけを関係代名詞の目的格に変えて、on whichのどちらかになります。
ちなみに、8番の文を訳すと、「今日は私たちが買い物に行く日です。」といったような意味になります。
続いて、9番です。9番の先行詞はthe reasonです。
( )に入る関係詞を考える前に、まず9番の文で注意しておきたいのは、この文全体の動詞はisなので、この文全体の主語はThe reason ( ) she criedということになります。そのため関係詞の節は( ) she criedなので、関係詞より後ろの省略はshe criedだけで考えないといけません。
このshe criedも、cryが自動詞で、「彼女は泣いた」という意味の文になり、欠けている文の要素はありません。そのため省略されているのは、文の要素にならない副詞ということになり、先行詞がthe reasonであることを考えると、省略されているのはfor the reasonという副詞句であると考えることができます。
よって、9番の( )に入る関係詞は、the reasonが理由を表しているので関係副詞のwhy、あるいは、前置詞+関係代名詞と考えてfor whichとなります。
ちなみに、この文の意味は、「彼女が泣いた理由は不明です。」といったような意味になります。
続いて10番は、「私は、あなたが目標を達成した方法を知りたい。」という日本語訳になるような( )に入る関係詞を考えます。
I want to know ( ) you achieved the goal.では、( )の前に先行詞がありません。日本語から考えると、先行詞は『方法』に相当する単語であると分かります。
そのため、先に答えを言うと、10番の( )に入る関係詞はhowになります。
関係副詞のhowを使うときは先行詞のthe wayは省略するのが普通です。the way howといったように、先行詞と関係副詞のhowを同時に使うといったことはないので注意しましょう。
また、10番の( )にthe wayだけを入れるということもできます。この場合は、先行詞のthe wayを書いて、関係副詞のhowを省略したということになります。
繰り返しになりますが、関係副詞のhowを使うときは、the way howといったように、先行詞と関係副詞を同時に使うことができず、howだけにするか、the wayだけにするかのどちらかにしないといけないということになります。
ちなみに、関係詞のhowを使うときは、関係詞よりも後ろで省略されているのは、in the wayという副詞句です。そのため、8番と9番で『前置詞+which』としたように、10番の( )にもthe way in whichとすることもできます。ただ、文法上間違いではないのですが、あまり見る表現ではありません。
関係副詞のhowは先行詞のthe wayを必ず省略しないといけないのですが、他の関係副詞も先行詞が明らかな場合は、省略されることがあります。
また、先行詞のthe wayを使うときは関係副詞のhowを必ず省略しないといけないのですが、他の関係副詞も省略される場合があります。how以外の関係副詞は必ずそうなるというわけではないのですが、そのように省略される場合もあるので、注意しましょう。
8. Today is the day when(on which) we go shopping.(今日は、私たちが買い物に行く日です。)
9. The reason why(for which) she cried is not clear.(彼女が泣いた理由は不明です。)
10. I want to know how(the way/the way in which) you achieved the goal.(私は、あなたが目標を達成した方法を知りたい。)
例題11:これができれば関係詞は理解できています!
それでは、最後に以下の( )に入る関係詞を考えます。
11. He is the man ( ) I think is wise.
先行詞はthe manで人です。
関係詞をちゃんと理解していない人は、( )に入る関係詞をwhomと答えてしまいます。その理由を聞くと、「関係詞のすぐ後ろに主語が来ているから」と答えますが、これは間違いです。なぜなら「関係代名詞のすぐ後ろに主語が来た場合は、関係代名詞は目的格にする」というルールはないからです。
関係詞を考えるときのポイントは、
- 先行詞は何か
- 関係詞より後ろの文で何が省略されているか
この2つであり、この2つ以外にどの関係詞を使うのかを決めるルールは存在しません。そのため、これら以外のルールで考えると間違えてしまいます。
それでは、この2つのルールに従って考えてみましょう。
関係詞よりも後ろの文で何が省略されているかを考えてみると、今回はis wiseの主語が省略されていると分かります。
先行詞のthe manあるいはheが省略されており、I think is wiseの部分の元の文を考えてみると、I think he is wiseとなるので、11番の( )に入る関係詞は、関係代名詞の主格のwhoということになります。
このように、しっかりとこの2つのポイントで考えるようにしましょう。
ちなみに、whoは関係代名詞のthatにすることもできます。
また、この文を訳してみると、「彼は私が賢いと思う男性です。」といったような意味になります。
11. He is the man who(that) I think is wise.(彼は私が賢いと思う男性です。)
this is why / that is why
以上で、どの関係詞を使うのかについての解説は終わりますが、ついでに関係副詞のwhyやhowを使った重要な表現を確認しておきます。
まずは、that is whyです。that is whyで「そのため」や「それゆえ」といったように訳します。
That is why I won.(そのため、私は勝ったのです。)
この文を直訳すると、「それが、私が勝った理由です。」といったような意味になり、それでも間違いではないのですが、whyより後ろが長くなったときに、戻って訳すと不自然になることもあるので、左から右に訳すことができる「そのため」や「それゆえ」と訳すようにしましょう。
ちなみに、このthatはこの前の文の内容を指すことになり、関係副詞whyの前には先行詞のthe reasonが省略されていると考えられます。
this is how / that is how
続いて、this is howです。
this is howで「このようにして」と訳す表現です。
This is how I won.(このようにして、私は勝ったのです。)
この例文も直訳してみると、「これが、私が勝った方法です。」といったような意味になりますが、やはり、こちらも左から右に訳すことができる「このようにして」などで訳すようにするとよいでしょう。
ちなみに、このthisも前の文の内容を指すことになり、先ほども確認した通り、関係副詞のhowは先行詞のthe wayを省略します。
また、this is whyで「このため」と訳したり、that is howで「そのようにして」と訳すこともあります。
いかがだったでしょうか。今回の解説で、関係代名詞や関係副詞の考え方はマスターできると思います。関係詞は、文法的に考えることができれば、間違えることがなくなります。必ず今回解説したルールで考えるようにしてください。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)関係詞(英文法)の解説一覧
①関係詞を使うときに守らないといけないルール(関係代名詞、関係副詞、前置詞+関係代名詞、関係詞とは何か、先行詞についても解説しています)
②どの関係詞を使うのかを確実にマスターしよう!(関係代名詞、関係副詞、前置詞+関係代名詞、That is why、This is howについても解説しています)
③関係代名詞thatを使うことが好まれる場合(関係代名詞thatの特別用法)と関係代名詞thatが使えない場合を解説します!
④関係詞の非制限用法の訳し方のポイント(制限用法と非制限用法の違い、関係詞節が挿入されているとき、先行詞が文のときの関係詞whichについても解説しています)
☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧
(5)参考
☆覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)
☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)