(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
文字を含む式の根号を外すとき、以下のようにしてはいけません。
そもそも根号(ルート)とは何か
なぜこうしてはいけないかを理解するためには、まず、そもそも根号つまり√(ルート)が何を意味しているかを正確に理解しないといけません。
根号(ルート)は「正の平方根」
根号つまり√とは、「正の平方根」のことです。
よくある誤解として、
√9=±3
と勘違いしている人がいるのですが、これは間違いです。正しくは、
√9=3
となります。なぜなら、√は正の平方根なので、√がついている以上、この数は必ず正になるからです。
根号(ルート)と平方根を区別しよう
ただし、「9の平方根は?」といわれたら、それは±3となります。
平方根とは「平方(2乗)のもと」という意味で、+3だけではなく-3も2乗したら9になるので、9の平方根を問われたら±3と答えなくてはいけません。
x2=9という方程式を解くときも同様に、9の平方根を答えないといけないので、
x=±3
となります。
このように、√つまり正の平方根と、平方根は区別しないといけません。
根号(ルート)を正しく外す
それでは、
の根号を外すという問題に戻ってみます。
√の意味が正しく理解できていれば、
だとなぜ間違いなのかわかると思います。
√は「正の平方根」なので、√がついている
は必ず正でないといけません。しかし、a-2はaがどのような数か分からないので、負になってしまう可能性があります。そのため、このように√を安易に外すことはできないのです。
では、どうすればよいかというと、a-2が0以上のときと、a-2が0より小さいときで場合分けをしないといけません。
場合分け(ⅰ)では、a-2≧0なので、そのまま√を外すことができます。
場合分け(ⅱ)では、a-2<0つまり負の数なので、そのまま√を外してしまうと、左辺が正なのに対し右辺が負になってしまい、イコールが成り立たなくなってしまいます。そのため、マイナスをつけて√を外します。そうすることで、左辺が正で、右辺も負の数にマイナスをかけて正となるのでイコールが成り立ちます。
根号(ルート)を外すときにマイナスをつける具体例
具体的な数字で考えてみます。例えば
となります。これが1番目の場合分けの状況です。3が正の数なので、そのまま√を外すことができます。
しかし、
とはなりません。なぜなら、√は正の平方根だからです。そのため、
とします。これが2番目の場合分けの状況です。-3が負の数なので、負の数に-をつけることで+として√を外します。
このように文字を含む式に がついている場合は、根号の中が0以上のときと負のときで場合分けをしましょう。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)実数(数学Ⅰ)の解説一覧
①数の分類一覧(複素数、実数、有理数、無理数、整数、自然数、素数)
②根号(ルート)の中に2乗があるときの対処法(根号(ルート)は「正の平方根」という意味です)
④根号や虚数単位iを含む式を代入して式の値を求める問題の解法(次数下げ)
※虚数を習っていない場合は、後半を飛ばしてください。
⑤数学で守らないといけないルール(文字で割るときの注意点、係数に文字を含む方程式の解法、係数に文字を含む不等式の解法)