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古文における品詞と活用の考え方(自立語、付属語、用言、活用語、活用形の判断の方法についても解説しています)【古文文法のすべて】

(1)解説授業動画

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(2)解説授業の原稿

古文における10品詞

今回は古文における品詞を解説します。

古文には、

動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞

の10個の品詞があります。それぞれの品詞で重要な文法事項については、個別に別の動画で解説しています。

今回は古文における品詞の分類や区別の仕方について、重要なものを確認します。

自立語と付属語

まず古文の品詞は大きく2つに分けることができます。

動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞の8つの品詞のことを自立語といい、助動詞と助詞のことを付属語といいます。

自立語とは1語だけで意味を持つ単語のことで、付属語とは自立語とくっつくことによって、自立語に意味を加える単語のことです。

用言と体言

また、自立語の中でも分類があり、動詞・形容詞・形容動詞の3つの品詞を用言といい、名詞のことを体言といいます。

用言は「活用する自立語」という意味です。

活用とは、単語の形が変わることで、古文では主に下の単語に合わせて活用したり、係り結び、つまり「ぞ・なむ・や・か・こそ」の結びになったときに活用したりします。

動詞・形容詞・形容動詞

また、動詞・形容詞・形容動詞の区別の仕方は終止形の語尾を見ます。

終止形の語尾が「u」の音あるいは「り」の場合は動詞であり、終止形の語尾が「し」または「じ」の場合は形容詞、そして終止形の語尾が「なり」や「たり」の場合は形容動詞となります。

例えば、終止形が「着る」「往(い)ぬ」「来(く)」「す」となる場合は、動詞となります。なぜなら「着る」「往ぬ」「来」「す」のように語尾が「u」の音になるからです。

また、ラ行変格活用動詞いわゆるラ変動詞は、終止形の語尾が「り」となりますが、動詞です。(「あり」「居(を)り」「侍り」など)

そして例えば、「憂し」や「うつくし」などのように終止形の語尾が「し」となっているものは形容詞です。ちなみに「憂し」の活用はク活用といい、「うつくし」の活用はシク活用といいます。

また、例えば「あはれなり」や「堂々たり」といったように終止形が「なり」や「たり」になっている場合は、形容動詞となります。

このように用言を区別することができますが、注意しないといけないことは、それぞれ終止形の語尾で判断しなければいけないということです。用言は活用するので、終止形でないときはこのような語尾にならないこともあるので注意してください。

活用しない自立語

次に、名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞は活用しない自立語ですが、これら特に文法的に重要なポイントはないので、それぞれの品詞で重要な単語だけを覚えていれば問題はありません。

助動詞と助詞

そして、助動詞と助詞は文法的にとても重要です。そのため、それぞれ個別に詳しく解説しているので、そちらの解説をご覧になってください。

ただ、今回1点だけ確認したいのが、助動詞は活用する付属語で、助詞は活用しない付属語であるということです。そのため、助動詞は下にくる単語や係り結びなどによって単語の形が変化することがあるので注意してください。

活用語・語幹・活用語尾

さらに活用について、もう少し補足しておきます。

活用とは単語が状況に合わせて未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形のどれかに変化することです。このような活用をする単語を活用語といい、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞が活用語となります。

また、活用語は語幹と活用語尾で構成されているということは知っておきましょう。語幹とは活用によって変化ない部分のことで、活用語尾とは活用によって変化する部分のことです。

語幹と活用語尾を見分けよう

例えば、「思ふ」であれば「思は・思ひ・思ふ・思ふ・思へ・思へ」のように活用し、「思」の部分が変化しないので語幹で、「ふ」の部分が変化するので活用語尾となります。

また、「ありがたし」の場合は、

ありがたくありがたくありがたしありがたきありがたけれ
ありがたからありがたかりありがたかるありがたかれ

このように変化するので、「ありがた」が語幹で、「し」が活用語尾となります。

さらに「来(く)」は「こ・き・く・くる・くれ・こ(こよ)」のように活用するので、語幹がなく活用語尾だけの動詞です。

「す」も同様に「せ・し・す・する・すれ・せよ」と活用するので、語幹がない活用語尾だけの動詞となります。

このように語幹がない活用語もあるので注意してください。ちなみに助動詞は語幹がなく活用語尾だけの活用語となります。

どの活用形かの考え方

それでは最後に活用形の考え方を確認します。

ある活用語が文の中で未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形のどの活用形なのかを考えることは、古文文法で最初に学習することですが、その考え方の順番がちゃんと身についていない方が多いように感じます。

その考え方は、以下の順番で考えることが重要です。

①活用形を考えるときは、まず下の単語を見るようにしましょう。
②次に文末のときは係り結びに注意してください。
③そして最後に活用表を考えるようにしましょう。

そもそも日本語が活用するのは、下の単語に合わせるためです。であれば、活用形を考えるときは、まず下の単語から見るのが自然であると思います。

下の単語がどの活用形を要求する単語なのかを確認します。そのどの活用形を要求するかを接続といいます。そのため、古文文法を考えるときは単語の接続が重要となるのです。

そして、下の単語を見てもどの活用形か分からないときに、活用表を使って考えるようにしましょう。

古文が苦手だと考えている学生の多くは、活用形を考えるときにまず活用表を考えようとしてしまいます。今後はそのような考え方はやめて、そもそもなぜ活用するのかといった原理から考えて判断するという思考の流れを身につけましょう。

(3)解説授業の内容を復習しよう

古文における品詞と活用テスト

活用形を答える練習問題

(4)古文の基礎知識の解説授業一覧

古文文法の学習はまずここから始めよう→歴史的仮名遣いのルール

古文における品詞と活用の考え方(自立語、付属語、用言、活用語、活用形の判断の方法についても解説しています)

活用形の考え方の順番(①活用語の下を見る、②係り結び、③活用表)

(5)参考

古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

古文文法のすべて(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

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