(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
二次不等式の解法の流れ
二次不等式は、
①左辺を因数分解できるときは因数分解する。因数分解できないときは、左辺=0の方程式を解の公式を利用して解く。
②y=(左辺)のグラフがx軸よりも上か下かを考える。
この流れで解くようにします。
慣れないうちは、グラフをかくようにしましょう。慣れてくれば、グラフをかかずにそのまま答えを書いてもいいのですが、それでも頭の中でグラフをかくようにしてください。
例題で二次不等式の解法を確認
それでは例題を解きながら解法を確認してみます。
①3x2+20x-7<0
3x2+20x-7<0
⇔ (3x-1)(x+7)<0
⇔ -7<x<⅓
左辺が因数分解できるので因数分解をします。そうすることで、左辺のグラフをかいたとき、x軸との交点のx座標がわかります。
この2番目のステップのグラフというのは、二次不等式の左辺(今回は3x2+20x-7)のグラフであるということに注意してください。そして、この左辺が0より小さい、つまり左辺のグラフのx軸よりも下の部分が答えとなります。
このようにグラフを使って考えるようにしましょう。
②-x2+2x+5≦0
続いて、次のような二次不等式を解いてみます。
-x2+2x+5≦0
⇔ x2-2x-5≧0
ここでx2-2x-5=0を解くと
x=1±√6
よって
x≦1-√6, 1+√6≦x
このようにx2の係数が負になっている場合は、まず両辺を-1倍しましょう。その際、不等号の向きが逆になることに注意してください。
そして、次に因数分解を考えてみます。しかし、今回は因数分解できないので、左辺=0の方程式を解の公式を使って解きます。その際、「ここでx2-2x-5=0を解くと」といった一文を必ず入れるようにしてください。これを書かずに不等式のすぐ下にx=と書いてしまう人がいるのですが、不等式の解ではないので、不等式のすぐ下にx=を書いてはいけません。
このように左辺=0の方程式を解くことで、この左辺のグラフと 軸との交点のx座標がわかります。
今回は、≧0なので、このグラフの0以上の部分、つまりx軸上とx軸より上の部分が答えとなります。
このように、左辺のグラフとx軸との交点のx座標を知るために、1段階目の操作をしているということを意識しましょう。
②-x2+2x+5≦0別解(両辺を-1倍しないパターン)
ちなみに、最初に両辺を-1倍せずに解くこともできます。
-x2+2x+5≦0
ここで-x2+2x+5=0を解くと
x=1±√6
よって
x≦1-√6, 1+√6≦x
まずは因数分解ができないので、左辺=0の方程式を解くと、先ほどと同じ解が出ます。
そして、この左辺のグラフをかいてみます。左辺が0以下つまり左辺のグラフのx軸上とx軸よりも下の部分なので、先ほどと同じ答えとなります。
③x2+2x+1>0
ここからは、解が特殊になる場合の二次不等式を解いていきます。しかし、解が特殊になるからといって、解法の流れは変わりません。どのような二次不等式でも、必ずこの流れで解くようにしましょう。
x2+2x+1>0
⇔ (x+1)2>0
よって解は、-1以外のすべての実数
まずは、左辺を因数分解します。そして、左辺のグラフをかきます。今回のように因数分解をして2乗になった場合は、グラフはx軸と接します。
そして次に、グラフでx軸よりも上か下かを考えます。今回は「0よりも大きい」となっているので、x軸を含めずにx軸よりも上の部分が答えとなります。よって、この二次不等式の解は、「-1以外のすべての実数」となります。
④x2-4x+5>0
次はこの二次不等式を解きます。
x2-4x+5>0
ここで、x2-4x+5=0とし、この方程式の判別式をDとすると
D=16-20=-4<0
よって解は、すべての実数
左辺は因数分解ができないので、左辺=0とし、この方程式を解きます。
しかし、解の公式を使って解を求めてみようとするとわかるのですが、解の公式の√の中つまり判別式が0より小さくなります。これはつまり、この二次方程式の実数解が存在しないということになるので、この左辺のグラフをかいてみると、x軸との交点がないということになります。
よって、左辺が0より大きい、つまり、左辺のグラフがx軸よりも上の部分、それはこのグラフすべてになるので、この二次不等式の解は「すべての実数」となります。
⑤4x2-4x+1≦0
次に、この不等式を解きます。
4x2-4x+1≦0
⇔ (2x-1)2≦0
よって解は、x=½
まずは左辺を因数分解し、左辺のグラフをかきます。今回は、因数分解した結果が( )2となっているので、x軸と接します。
そして、0以下であるので、x軸上とx軸よりも下の部分が答えとなるので、今回該当するのはx=1/2の一点だけであるので、この二次不等式の解はx=1/2となります。
⑥-3x2+8x-6>0
それでは最後にこの二次不等式を解いてみます。
-3x2+8x-6>0
⇔ 3x2-8x+6<0
ここで、3x2-8x+6=0とし、この方程式の判別式はDとすると
D=64-4・3・6=-2<0
よって、この二次不等式の解は存在しない。
x2の係数が負になっているので、両辺を-1倍します。その際、不等号が逆向きになることに注意してください。
そして、この左辺は因数分解ができないので、左辺=0として、その方程式を解いてみます。すると解の公式のルートの中の部分、つまり、判別式が0より小さくなります。ということは、この方程式の実数解は存在しないので、この左辺のグラフはx軸と交点を持ちません。
そして、この二次不等式を見ると、左辺が0より小さいとなっているので、この左辺のグラフがx軸よりも下の部分が解となるわけですが、今回この左辺のグラフは全部x軸よりも上の部分にあるので、この二次不等式の解は存在しないということになります。
このように解がないということが答えになることもあるので注意してください。
どのような二次不等式でも
①左辺を因数分解できるときは因数分解し、因数分解でいないときは左辺=0の方程式を解く。その際、解の公式を利用。
②グラフで 軸よりも上か下かを考える。
この流れで解けば必ず解けます。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)二次関数・二次方程式・二次不等式(数学Ⅰ)の解説一覧
②そもそも判別式とは何か(二次関数の問題で判別式を使うときの注意点)
③二次関数の最大と最小を考えるときに引くべき3つの線(場合分けについても解説しています)
⑤二次不等式の解法(解が特殊になる二次不等式の解説もしています)
(5)参考
☆二次関数・二次方程式・二次不等式(数学Ⅰ)の解説・授業・公式・演習問題一覧