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「夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「あふ」に「逢坂」と「逢ふ」を掛けている。

②助動詞と助詞の文法的説明

・「て」は単純接続の接続助詞

・「は」は係助詞

・「とも」は逆接仮定条件の接続助詞(もし~したとしても)

・「じ」は打消意思の助動詞の終止形

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

夜の明けないうちに、鶏の鳴き声を真似て夜が明けたと函谷関はだませたとしても、あなたとわたしの間にあるこの逢坂の関は、決してだまされて開くことはありませんので、私はあなたと決して逢うつもりはありません。

⑤その他解説

・『史記』の孟嘗君の故事を踏まえた歌である。孟嘗君が秦に捕らえられたが、逃亡を図り、朝、鶏の鳴き声で開く函谷関を、部下に鳥の鳴き真似をさせて、夜中に開かせ、逃げ出すことができたという話がある。

・「逢坂の関」:滋賀県大津市にあった、滋賀県と京都府を隔てる関所。

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