(1)例題
音のドップラー効果について考える。音源、観測者、反射板はすべて一直線上に位置しているものとし、空気中の音の速さはVとする。また風は吹いていないものとする。
①図aのように、静止している振動数f1の音源へ向かって、観測者が早さvで移動している。このとき、観測者に聞こえる音の振動数と、音源から観測者へ向かう音波の波長を求めよ。
図a
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②図bのように、静止している観測者へ向かって、振動数f2の音源が早さvで移動している。音源から観測者へ向かう音波の波長λを表せ。
図b
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③図cのように、静止している振動数f1の音源へ向かって、反射板を速さvで動かした。音源の背後で静止している観測者は、反射板で反射した音を聞いた。その音の振動数はf3であった。反射板の速さvを表せ。
図c
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(2017年センター試験本試物理第5問)
(2)答案
①
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②
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③
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(3)解法のポイント
①と②はドップラー効果の式を使えば解けるのですが、ドップラー効果の式を使うときは、ただ機械的に使うのではなく、原理を考えながら使うようにしましょう。
結局のところドップラー効果の式は、音源における波の式と、観測者における波の式を組み合わせたものなのです。音源・観測者にとっての波長は変わらないということがポイントです。
③は①と②を組み合わせた問題であると気付いたでしょうか。波動の問題で反射を考えるときは、反射するものを音源とみなす、という考え方で取り組みます。
(4)必要な知識
①ドップラー効果
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(5)理解すべきこと