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「創発」が「なぜ勉強する必要があるのか?」の答えになります!(「創発とは何か?」についても解説しています)

「創発」という言葉をご存じでしょうか? 「創発」は「なぜ勉強しなければいけないのか?」の答えになりうる概念です。

(1)創発とは何か?

「創発」という言葉の定義は、ウィキペディアによると以下のようになります。

創発(emergence)とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることである。局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成される。

ウィキペディアより

よく創発の例として、シロアリの蟻塚が挙げられます。

シロアリの中には、蟻塚のような複雑な構造物を作るものがいます。しかし、シロアリ単体をいくら分析しても、シロアリ自体に蟻塚を創造する要素が見当たらないのです。つまり、シロアリ単体は蟻塚を作ることなんて全く想像できないほど単純な存在だけど、そのシロアリが何千何万と集まることで、蟻塚という複雑な構造物を作ることができるようになる、ということです。

この蟻塚が「創発」です。1つ1つの要素は単純で弱い存在であるように見えても、それが複数集まることで、想像もできないような結果を生み出すことがあるのです。

この創発は、生物界だけでなく、この世界のあらゆるモノ・場所で起きています。人間の体内でもそれが起きており、例えば、脳の働きなどで創発が起きています。脳の各部位がそれぞれ独立して機能を持って働いていますが、それが複雑に絡み合って「わたし」という意識を生んでいます。

(2)創発が決定論をくつがえす!?

もう少しだけ創発の話をすると、創発の概念は決定論に対する強力な反論になる可能性があります。

ウィキペディアには以下のようにも書かれています。

この世界の大半のモノ・生物等は多層の階層構造を含んでいるものであり、その階層構造体においては、仮に決定論的かつ機械論的な世界観を許したとしても、下層の要素とその振る舞いの記述をしただけでは、上層の挙動は実際上予測困難だということ。下層にはもともとなかった性質が、上層に現れることがあるということ。あるいは下層にない性質が、上層の”実装”状態や、マクロ的な相互作用でも現れうる、ということ。

ウィキペディアより

決定論とは、この世界のすべてのもの(生命、意識、心といったものも含めて)は、物理法則に従っており、結果はすべて物理法則によって決まっている、という考えです。

科学が発達している現代では、この考えは当たり前のように聞こえるかもしれません。

決定論を突き詰めていくと、「この世のすべては科学によって予測可能である」という考えに至り、さらには、「結果はすべて決まっているので、何をやっても無駄である」という考えに至ってしまうかもしれません。

ちなみに、この宇宙の根底にある法則は「エントロピー増大の法則」です。「エントロピー増大の法則」とは簡単に言うと「すべてのものは、自然にバラバラになり、均等に散らばろうとする性質を持っている」という法則です。つまり、この宇宙のあらゆるものは「バラバラになる」という1つの方向性を持って存在しており、その方向性はもう変えることはできないのです。

「あらゆるものは結局バラバラになって死んでしまう。やはり、何をしても無駄なのではないか?」という考えが浮かんできそうです。

しかし、創発という概念は、この考えを覆します。(現時点での)科学では到底予測できない結果が、この世界では起きているのです。予測もできないようなことが起きる世界で、決定論的に何を語っても、それこそ無意味であるということになるのです。

(3)創発を生み出すためには多くの要素が必要

創発を生み出すためには、多くの要素が複雑に絡み合う必要があります。

要素を1つ、あるいは10個程度持っているぐらいでは、創発を生み出すには至りません。何千何万と要素を持ち、そして、それが複雑なネットワークを作ったとき、創発が起きます。

(4)なぜ勉強する必要があるのか?

さて、やっと「なぜ勉強する必要があるのか?」に答えます。

答えは「創発を起こすため」です。もう少し言うと「人間社会で創発を起こすため」です。

前述の通り、自然界で創発は頻繁に起きています。私たち「人間」という存在そのものが創発であるとも言えます。ただ、私たち人間は、自然界だけでなく「人間社会」にも生きており、また、生きていかなければなりません。

社会、政治、経済、ビジネス、人間関係、コミュニティ……そういった世界で生きていく私たちが、その世界の中で創発を起こすためには、知的な要素を自分の中にたくさん持たないといけません。

知的な要素とは、知識、経験などです。

1つ1つの知識や経験は、それ自体では無意味で無力に思えるかもしれないものでも、たくさん集まると、予測もつかないようなアイデアを生み出す可能性があります。逆に、知識や経験が乏しい人は、創発を起こしづらく、予想できるような(つまらない)アイデアしか生み出せなくなってしまいます。

創発を生み出せる人間になるためには、たくさん勉強をし、多様な知識と経験を要素として持ち、それをネットワークのようにつなげていかなければなりません。

※この考えが「古文・漢文・三角関数を勉強するのは無駄である」という意見への反論となります。つまり、それ単独では無意味に見える知識でも、何かとどこかでつながって、予想もつかないようなアイデアを生み出す結果となる可能性があるからです。「役に立つことだけ勉強すればいい」という考えは、知的な要素を減らすことになるので、むしろ創発の可能性を下げてしまいます。

(5)創発が起きる未来へ

創発は、人間社会を大きく進める可能性があります。

そして、創発を起こしうる人間がたくさん集まれば、さらなる創発にも期待できます。

逆に、創発が起きない人間は、もはや機械と同じです。予測可能で、想定の範囲内での行動しかできません。そのような人間が集まって作る社会は、ある意味安定していますが、ひどく単調でつまらない未来となるでしょう。

みなさんは、どちらの未来を目指しますか?

僕は創発が起きる未来が見たいです。そのために、死ぬまで勉強を欠かさないようにしたいです。

そして、できれば、みなさんにも勉強してもらい、一緒に創発を生み出してみたいです。

※創発は人間社会を大きく進歩させる可能性がありますが、逆に、人間社会を滅ぼす可能性もあります。予想もできないような良い結果が起きるかもしれないということは、予想もできないような悪い結果も起こりうるからです。ただ、僕はそれこそ人間であると思います。予測可能な「機械」としてではなく、あくまで予測不可能な「人間」として、僕は生きていきたいです。


~参考~

【大学受験で成功するための100か条】大学受験で成功するためにやらなければいけないことを100個にまとめました!

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なぜ勉強しなければいけないのか

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