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名言
わたしたちが頻繁に、そして長く熟考すればするほどに、ますます新たな讃嘆と畏敬の念が心を満たす二つのものがある。それはわが頭上の星辰をちりばめた天空と、わが内なる道徳法則である。
(『実践理性批判』)
解説
この美しい文言は、カントの主著の一つ『実践理性批判』の中でも特に有名な言葉です。
カントは、天空つまり宇宙の研究方法と、道徳法則を確立していく方法との間に、類似点を見出しています。
天空は、人間の感性界の一部でありながら、この世界の上位に位置し、この世界のあらゆる体系を含むような見極め難い大きさにまで拡大し、さらに、物理法則の始まりと持続を含む無限の時間にまで拡大することで、感性だけでは捉えきれない領域にまで広がる世界です。
これに対して道徳法則は、直接目で見ることのできない自己から始まり、知性だけがたどることのできる無限の世界に、人間を進ませることができます。道徳法則においてのみ、人間は真の意味で自由であり、叡智的な主体であることを認識できるのです。
このように、天空の研究と道徳性の考察は、感性的な領域を超越して、人を叡智界へと招くのです。
また、天空の研究が占星術を生み出したように、道徳研究は、狂信あるいは迷信に終わる危険性もあります。そうならないためにも、実験と観察、そして、分析と考察が重要であり、この点においても、この二つの領域は共通点を持っています。
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