(1)例題
銅と亜鉛の合金である黄銅20.0gを酸化力のある酸で完全に溶かし、水溶液にした。この溶液が十分な酸性であることを確認した後、過剰の硫化水素を通じたところ、純粋な化合物の沈殿19.2gが得られた。この黄銅中の銅の含有率(質量)は何%か。ただし、S=32, Cu=64, Zn=65とする。
(2017年センター試験本試化学第3問問4)
(2)例題の答案
銅イオンと亜鉛イオンのうち、酸性状態で硫化水素と反応して沈殿を生じるのは銅イオンのみである。
Cu → Cu2+ + e-
Cu2+ + H2S → CuS + 2H+
CuS=96であるから、黄銅中の銅の含有率は
19.2/96×1×1×64×1/20.0×100=64〔%〕
(3)解法のポイント
黄銅は銅と亜鉛の合金である、ということは知識としてもっておきましょう。
また、硫化水素と沈殿を形成するものも必ず頭に入れておきましょう(液性の条件とともに)
そして、式の意味ですが、
19.2/96:硫化銅の物質量〔mol〕
19.2/96×1:銅イオンの物質量〔mol〕
19.2/96×1×1:銅の物質量〔mol〕
19.2/96×1×1×64:銅の質量〔g〕
となります。
化学反応式の係数は、物質量の比であるということは、必ず理解しておきましょう。
(4)参考
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