(1)例題
図のように、静止している観測者から距離L〔m〕の位置にビルがある。観測者とビルを結ぶ線上のある地点で、時刻t=0sに合図用のピストルを鳴らしたところ、観測者はピストルから直接届く音をt=1.0sに聞き、ビルの壁で反射して届く音をt=2.0sに聞いた。気温が15℃であるとして、Lの値を整数で答えよ。
(2018年センター試験本試物理基礎第1問問4)
(2)答案
空気中の音速はv〔m/s〕は、空気の温度がt〔℃〕のとき
v=331.5+0.6t
であるので、15℃のとき
v=331.5+0.6・15=340.5〔m/s〕
ピストルからビルに向かって発せられた音波は、ビルに到達して、ビルから折り返して再びピストルの位置に戻り、そして観測者にたどり着く。この過程で2.0s要する。
ピストルから直接観測者に向かって発せられた音波は観測者のところへ1.0sでたどり着くので、音波は、ピストルからビルに到達してピストルの位置に戻るのに1.0sかかることになる。
よって、音波がピストルの位置からビルまで届く時間は0.5sである。
したがって、観測者からビルまでの距離は
L=340.5×1.0+340.5×0.5=510.75≒511〔m〕
(3)解法のポイント
音波を使って距離を求める問題は、反射物までの往復にかかる時間であるということに注意しましょう。
(4)必要な知識
①音速