(1)例題
①ある金属単体は下図のように、層Aと層Bの2層の繰り返しによって形成される六方最密構造の結晶格子をとる。下図の単位格子(灰色部分)に含まれる金属原子の数はいくつか。
(2018年センター試験本試化学第1問問3)
②下図のような面心立方格子の結晶構造をもつ金属の原子半径をr〔cm〕とする。この金属結晶の単位格子一辺の長さa〔cm〕を表せ。
(2017年センター試験本試化学第1問問2)
③下図は面心立方格子の金属結晶の単位格子を示している。この単位格子の頂点a, b, c, dを含む面に存在する原子の表す図をかけ。ただし、原子の位置は〇で示し、大きさは考えなくてよい。
(2016年センター試験本試化学第1問問2)
(2)例題の答案
①六角柱の結晶格子の各頂点には原子の⅙個分が含まれる。また、上面と下面の中心には原子の½個分が、六角柱の中間には原子3個分が存在する。単位格子は六角柱の⅓であるから、単位格子に含まれる金属原子の数は
(⅙×12+½×2+3)×⅓=2個
②面心立方格子の単位格子では、面の対角線の長さが原子半径の4倍に等しい。よって
√2a=4r
∴ a=2√2r〔cm〕
③
(3)解法のポイント
①六方最密構造は、単位格子3つ分で六角柱となっているということは知っておきましょう。
②原子半径や一辺の長さを求めるときは、面の図をかきましょう。
(4)参考
☆化学の解説動画・授業動画一覧(化学基礎・理論化学・無機化学・有機化学・高分子化合物)