環境問題についてまとめます。
(1)生態系の破壊
①DDTなどの農薬や殺虫剤が生態系を破壊→生物濃縮の結果、人間にも害が及ぶ(『沈黙の春』レイチェル・カーソン)
(2)オゾン層の破壊
①紫外線は、皮膚がんや白内障の原因
②フロンガス(エアコン・スプレー・洗浄剤に含まれる)による破壊→オゾンホールの形成
③1987年モントリオール議定書→1996年までにフロンガスは全廃
(3)砂漠化
①原因
ⅰ)異常気象・干ばつ
ⅱ)人口爆発→過耕作・過放牧・過度な灌漑・薪炭材としての植物伐採
②サヘル地域(サハラ砂漠の南)や中国西部で進んでいる
(4)熱帯林の破壊
①原因:焼畑農業・木材輸出
②生態系の破壊、温暖化、砂漠化といった影響を及ぼす
(5)酸性雨
①原因:大気汚染(化石燃料の燃焼による硫黄酸化物SOx、窒素酸化物NOxが原因物質)
②影響:河川や湖沼の生物の死滅、森林の枯死、歴史的建築物や銅像が溶ける
③工業地帯で起きる(ヨーロッパ、アメリカの五大湖周辺、中国南部)
(6)地球温暖化
①原因(気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の見解による)
ⅰ)化石燃料の使用→温室効果ガス(二酸化炭素など)の発生
ⅱ)熱帯林の破壊→二酸化炭素吸収量の減少
②影響
ⅰ)陸上の氷(南極、グリーンランド、ヒマラヤなど)が溶け出し、海水面が上昇
ⅱ)生態系への影響
ⅲ)乾燥化、砂漠化
(7)地球環境問題への取り組み
①1972年:国連人間環境会議「かけがえのない地球」→国連環境計画(UNEP)設立
②1992年:国連環境開発会議(地球サミット)「持続可能な開発」→リオ宣言(アジェンダ21)、気候変動枠組み条約、生物多様性条約、森林原則声明
③1997年:京都議定書→先進国に温室効果ガスの削減義務(発展途上国には義務なし、アメリカは2001年に離脱、日本は2012年に離脱)、京都メカニズム(排出権取引、クリーン開発メカニズム)
④2002年:持続可能な開発に関する世界首脳会議→ヨハネスブルグ宣言
⑤ラムサール条約:水鳥の生息地としての湿地・湿原の保全
⑥ワシントン条約:絶滅のおそれのある野生動植物の商取引を規制
⑦バーゼル条約:有害廃棄物の国境を越えた移動の規制
⑧砂漠化防止条約
⑨世界遺産条約:文化遺産と自然遺産の保護
(8)日本の公害
①足尾銅山鉱毒事件
②イタイイタイ病←カドミウム
③水俣病←有機水銀
④新潟水俣病←有機水銀
⑤四日市ぜんそく←亜硫酸ガス
⑥公害対策
ⅰ)1967年:公害対策基本法→調和条項あり(経済発展の優先)
ⅱ)1970年:公害国会→調和条項削除(生活環境の優先)、環境庁の設置
ⅲ)1993年:環境基本法→公害対策基本法を廃止
ⅳ)1997年:環境アセスメント法
ⅴ)2001年:環境庁は環境省へ
⑦汚染者負担の原則(PPP、Polluter Pays Principle)
⑧無過失責任:被害を受けたことだけを立証すればよい(加害者の過失を立証しなくてよい)
⑨濃度規制→総量規制
(9)エネルギー問題
①シェール革命:シェール層からの石油や天然ガスの採掘が可能となった→アメリカがエネルギー輸出国となる可能性
②自然エネルギー:風力、太陽光、地熱、潮力
→問題点:建設コスト、発電効率の低さ
③バイオマス・エネルギー:バイオエタノール、木質バイオマス発電
→カーボン・ニュートラル(光合成の際に吸収した二酸化炭素を排出しているだけなので、二酸化炭素の総量は変わらない)
→問題点:途上国の食糧難、森林破壊
④原子力発電
→発電コストが安い、二酸化炭素を発生しない
→問題点:重大事故の危険性が大きい(スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故、東海村臨界事故、福島第一原子力発電所事故)、放射性廃棄物をどうするか
※プルサーマル(使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す)、高速増殖炉で使用済み核燃料を再利用→実験段階でトラブルが相次ぐ
⑤コジェネレーション(排熱の利用)
(10)ゴミ問題
①原因:大量生産・大量消費・大量廃棄
②2000年:循環型社会形成推進基本法→3R(リデュース・ルユース・リサイクル)の法制化、拡大生産者責任(メーカーが廃棄やリサイクルの段階にまで責任を負うべき)
③容器包装リサイクル法:びん・ペットボトル・紙・プラスチックに対し、消費者は分別の義務、自治体が回収、事業者が再商品化の義務を負う。
④家電リサイクル法:冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは、メーカー・小売業者が回収・リサイクルの義務を負う
⑤グリーン購入法:環境負荷の低い商品を買うように国や自治体に義務付ける
⑥都市高山:携帯電話などの小型家電製品に含まれるレアメタル