油脂の構造

(1)例題

1種類の不飽和度脂肪酸(RCOOH、Rは鎖状の炭化水素基)からなる油脂A 1molに水素を反応させ、飽和脂肪酸のみからなる油脂を得た。Rが以下であるとき、それぞれ水素は何mol反応するか。

①C15H29、②C17H33、③C17H31、④C17H29

(2016年センター試験本試化学第4問問3改)

(2)例題の答案

Aには3つのRが含まれているので、Rに二重結合が1つ含まれていた場合、A1molに対して水素は3mol付加することになる。
鎖状の飽和炭化水素基において、含まれる炭素原子数をnとすると、その基はCnH2n+1で表すことができるため、①~④それぞれの不飽和度は
①1、②1、③2、④3
であるため、それぞれがRであるときA1molに付加する水素の物質量は
①3mol、②3mol、③6mol、④9mol

(3)解法のポイント

油脂とはグリセリンと高級脂肪酸(炭素数の多いカルボン酸)がエステル結合したものをいいます。

また、二重結合や三重結合あるいは環状構造をもたない脂肪酸のことを飽和脂肪酸、これらをもつ脂肪酸のことを不飽和脂肪酸といい、不飽和脂肪酸は水素などを付加させることができます。

~参考~

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