(1)例題
下図のように、陽イオン交換膜で仕切られた電気分解実験装置に塩化ナトリウム水溶液を入れ、電気分解を行った。陽極と陰極で発生する気体と、陽イオン交換膜を通過するイオンを答えよ。
(2017年センター試験本試化学第2問問5)
(2)例題の答案
各電極での反応は以下の通りである。
陽極:2Cl- → Cl2 + 2e-
陰極:2H2O + 2e- → H2 + 2OH-
よって、陽極では塩素、陰極では水素が発生する。
また、陽イオン交換膜は、陽イオンだけ通過させ、陰イオンは通さない。陽極側ではCl-が消費され、陰極側ではOH-が生成する。そのため、陽極側の電荷は正に偏り、陰極側の電荷は負に偏る。この偏りを解消するために、ナトリウムイオンが陽極側から陰極側へ移動する。
(3)解法のポイント
陽イオン交換膜法と呼ばれる、水酸化ナトリウムの製法です。
陽極・陰極での反応や、陽イオン交換膜でイオンの移動は理解しておきましょう。
以下に、電気分解における反応の考え方をまとめておきます。
①電気分解における陰極の反応の順番
②電気分解における陽極の反応の順番
(4)参考
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