(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
ax=2は両辺をaで割ってはいけない
文字で割るときの注意点について解説します。
早速ですが、問題を見てみましょう。例えば、xについての方程式ax=2を解くときに、両辺をaで割って、x=2/aとしてはいけません。
なぜこのように安易に両辺をaで割ってはいけないかというと、数学においてやってはいけないことをしてしまっている可能性があるからです。
数学において守らないといけないルールの一つに、0で割ってはいけないというものがあります。このように文字で割ってしまうと、その文字がが0かもしれないので、このルールを破ってしまう可能性があるのです。
なぜ0で割ってはいけないのか
ではなぜ0で割ってはいけないかというと、計算ができないからです。
例えば、2÷0を計算すると、どうなるでしょうか。2÷0=0と答えてしまう人が結構いるのですが、2÷0は0にはなりません。
例えば6÷2=3ですが、これは6の中に2が3個あるから3であり、つまり2×3=6が成り立っています。同様に2÷0を考えると、2の中に0が何個あるかというと、少なくとも0ではありませんし、0×0が2になることもありません。
では、2÷0がいくつになるかというと、それは「2÷0は計算ができない」ということになります。実際に電卓などで2÷0をやってみると、エラーとなります。
ちなみに、2×0=0となります。また、0÷2=0となります。0の中に2は0個であり、2×0=0が成り立っているからです。これらとは区別するようにしましょう。
このように数学では0で割ってしまうと計算できなくなってしまうので、0で割ってはいけないというルールがあるのです。
ax=0の解法
では、ax=0のようなxについての方程式をどう解いたらいいかというと、 (ⅰ)a=0のときと(ⅱ)a≠0のときで場合分けをしないといけません。
(ⅰ)a=0のとき
まずは(ⅰ)a=0のときを考えて、a=0なので、両辺をaで割ることができないため、そのままaに0を代入した式を書きます。
すると、0・x=2という方程式になり、xにどのような数を入れても左辺は0になってしまうので、この方程式は成り立ちません。よってa=0のとき、この方程式は「解なし」となります。
(ⅱ)a≠0のとき
そして、 (ⅱ)a≠0のときは、この方程式の両辺をaで割ることができ、この方程式の解はx=2/aとなります。
このように文字で割ろうと思ったときは、まず問題文を見てその文字が0でないかどうかを確認してみます。そして0になる可能性がある場合は、必ず場合分けをして解くようにしましょう。
ax<0の解法
続いて、xの係数に文字を含む不等式も解いてみます。
ax<2
例えばこのようなxについての不等式を解いてみるときに、安易に両辺をaで割ってx<2/aとしてはいけません。等式のときと同様に、0で割ってしまう可能性がありますし、さらに不等式の場合は、両辺を割ったりかけたりする数の正負によっても答えが変わってきます。
(ⅰ)a=0のとき
まずは、(ⅰ)a=0のときを場合分けします。
a=0なので、両辺をaで割ることができないため、そのままxに0を代入します。
0・a<2
すると、このような不等式となり、左辺はxにどのような実数を入れても0となり、2よりは必ず小さくなるので、a=0のときのこの不等式の解は「xはすべての実数」となります。
(ⅱ)a>0のとき
続いて、(ⅱ)a>0のときです。
a>0のときは、aは0にはならないので、両辺をaで割ることができます。この場合の答えはx<2/aとなります。
(ⅲ)a<0のとき
そして3番目の場合分けは、(ⅲ)a<0です。こちらも は0になることはないので、両辺をaで割ることができます。
しかしaは負の数なので、この不等式の両辺をaで割ったら不等号の向きが逆向きになって、答えがx>2/aとなります。
このように、不等式を文字で割るときは、0かどうかの確認だけはではなく、正か負かの確認あるいは場合分けを忘れないようにしましょう。
(3)解説授業の内容を復習しよう
問題作成中
(4)1次不等式(数学Ⅰ)の解説一覧
②数学で守らないといけないルール(文字で割るときの注意点、係数に文字を含む方程式の解法、係数に文字を含む不等式の解法)