学校などの授業を理解できず、授業についていくことができない生徒が多くいます。その原因は2つあります。
(1)授業を受けること自体に意味があると思い込んでいる
(2)授業で使われている言葉が理解できていない
この2つが原因です。
(1)授業を受けること自体に意味はない
まず、勘違いしてはいけないのは、「授業」はあくまで「生徒ができるようになるための手段の1つである」ということです。
そのため、授業を受けること自体に意味があるのではなく、授業を受けて、その内容を理解し、復習して、自分のものとしたときに初めて、授業が意味を持つのです。
しかし、多くの生徒や先生は、「授業に出席して、授業の間その場にいること」だけに何か特別な意味があると思い込んでいます。
そのため、「授業に出席して、授業の間その場にいること」だけにこだわる生徒は、それだけで満足なので、授業を「自分ができるようになるため」という目的で聞こうとしないのです。
※この点が、授業を聞こうとすらしない生徒が現れる原因だと考えられます。つまり、「授業に出席して、授業の間その場にいること」に意味があると思い込んでいる先生は「授業に出席して、授業の間その場にいること」を強制します。そして、「意味がある」とされていることに対する反発として、「授業を聞かない」とする生徒が現れるのです。
※多くの生徒や大人は、授業を受けること自体に意味があると勘違いしています。生徒は授業を受けさえすれば成績が伸びると信じ、先生も授業をしさえすれば自分の役割は果たせたと思い込んでいます。しかし、よく考えてみてください。「授業を受けさえすれば、必ずできるようになる」とは言えないのは当然である分かると思います。また、「生徒をできるようにするための唯一の方法は授業である」というのも誤りです。この強い思い込みをどうするのか、これが今後の日本の教育の最大のテーマです。
(2)授業で使われている言葉が理解できない
授業を聞けない2つ目の理由として、「授業で使われている言葉が理解できていない」が挙げられます。
基礎的な知的能力が備わっていない人の特徴として、「自分が分からない言葉から逃げる」というものがあります。
これは文章を読むときだけでなく、話を聞くときにもこの特徴が現れます(参考:教科書が読めない理由と対処法)
そのため、分からない言葉を聞きとばしているうちに、どんどん授業の内容が理解できなくなるのです。
(3)自分にとって分かりやすい授業だけを受ければいいのか
それでは、自分にとって「分かりにくい」言葉を使う授業は避けて、「分かりやすい」言葉を使ってくれる授業だけを受ければよいのでしょうか。
残念ながら、そうはいきません。
なぜなら、「分かりやすい」言葉だけでは、表現に限界があるからです。
そもそも、なぜ抽象的な言葉があるのかといえば、それを指すのにピッタリな言葉が必要だからです。
ゆえに、そういった言葉を使わずに説明できることには限界があり、得られる情報が限られてしまいます。
そのため、「分かりにくい」言葉を理解する必要があるのです。
※「自分が分かることだけ聞く」「自分が聞きたいことだけ聞く」は、非常に危険です。判断材料が偏ってしまい、最終的に、「自分が分かりやすいことを言ってくれる人が正しく、分かりにくいことを言う人は間違っている」となってしまう危険性すらあります。
(4)ではどうすればよいのか
とにかくまずメモをとりましょう。有益な情報や必要なことを聞き逃さないようにしてください。
そうすれば、おそらく知らない言葉や分からない言葉が出てきます。それもメモをとっておきましょう。そして、後にその言葉を調べましょう。
できれば、調べた言葉を自分でも使ってみましょう。自分で使ってみることで理解が深まります。
①分からない言葉から逃げずに、メモをとる→②調べるクセをつける→③自分でも使ってみる。
このサイクルを繰り返すことで、しだいに「難しい」言葉を使った授業も理解しながら聞くことができます。
☆参考☆