油脂、脂質(天然高分子化合物)知識テスト(問題と答え)

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①油脂は高級脂肪酸と何のエステルか?

→グリセリン

※高級脂肪酸とは、炭素数の多い脂肪酸(カルボン酸)のこと。

②エステルを強塩基と反応させることを何と言うか?

→けん化

③油脂に強塩基を加えると何が得られるか。

→セッケン

④油脂のうち常温常圧で固体のものを何と言うか?

→脂肪
※動物性油脂に多い。

⑤油脂のうち常温常圧で液体のものを何と言うか?

→脂肪油(しぼうゆ)
※植物性油脂に多い。

⑥油脂は植物の種子中に多く含まれる。それはなぜか。

→油脂は、単位質量あたりのエネルギー発生量が多く、効率よくエネルギーを貯蔵できるから(種子の質量は小さくするほど、より遠くまで飛散できる)。

⑦油脂は恒温動物の皮下脂肪に多く含まれる。それはなぜか。

→熱を伝えにくいから。

⑧油脂は内臓の周囲に多く含まれる。それはなぜか。

→外力による衝撃を緩和してくれるから。

⑨飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のどちらが融点が高いか?

→飽和脂肪酸
※脂肪酸は二重結合の数が少ないほど融点は高くなる。

⑩不飽和脂肪酸は空気中に放置すると酸化されて、特有の酸味と悪臭をもつようになる。では、不飽和脂肪酸はなぜ酸化されやすいのか。

→二重結合をもつから。

⑪油で揚げたスナック菓子の袋には、窒素が充填されている。それはなぜか。

→油が酸化されるのを防ぐため。

⑫炭素数が16と18の高級脂肪酸を5つ挙げよ。

→パルミチン酸(C15H31COOH、C=Cは0個)、ステアリン酸(C17H35COOH、C=Cは0個)、オレイン酸(C17H33COOH、C=Cは1個)、リノール酸(C17H31COOH、C=Cは2個)、リノレン酸(C17H29COOH、C=Cは3個)

⑬液体状の不飽和脂肪酸を、飽和脂肪酸の多い硬化油(こうかゆ)にするにはどうすればよいか。

→水素を付加させる。
※脂肪酸は二重結合の数が少ないほど融点は高くなる。

⑭硬化油の用途は?

→マーガリン、ローソクなど

⑮多くの二重結合をもつ脂肪油の中には、空気中に放置すると酸化され固化するものがある。このような脂肪油を何と言うか。

→乾性油(かんせいゆ)

⑯乾性油の用途は?

→ペンキ
※さらに乾燥性を強めたものをボイル油といい、油絵の具に用いられる。

⑰シス型脂肪酸とトランス型脂肪酸のどちらが、安定性が高いか(融点が高い、酸化されにくい)。

→トランス型脂肪酸
※そのため、トランス型脂肪酸は体内で分解されにくく、体内に蓄積されやすい。その結果、動脈硬化のリスクが高まり、アレルギーが起きやすくなる。

⑱脂質を構成するエステル結合を加水分解する際に働く酵素は?

→リパーゼ

⑲ろうは何と何のエステルか。

→高級脂肪酸と高級1価アルコール

⑳油脂とろうのどちらが酸素や光に対して安定か。

→ろう
※ろうのエステル結合は切断されにくい。植物の葉や果実の表面、動物の皮膚の表面や羽毛などに存在し、乾燥を防いでいる。

㉑細胞膜を含む細胞内に存在するすべての膜(生体膜)の不溶な構成成分は何か?

→リン脂質

㉒コレステロール(ステロイドという脂質の一種)は加水分解されるか。

→加水分解されない(ステロイドは非加水分解性脂質)。

㉓植物の花弁や果実などに多く含まれる色素の総称であるカロテノイドという脂質は加水分解されるか。

→加水分解されない(カロテノイドは非加水分解性脂質)。


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