(1)国際社会とは
①国家の3要素:国民・主権・領域(領土・領空・領海)
②勢力均衡政策(軍事力の均衡によって平和を保つ)→第一次世界大戦→集団安全保障(全ての国が加盟する国際機構を作り、戦争を違法化する)の考えへ
(2)国際連合
①加盟国数193か国
②6つの主要機関:事務局、総会、安全保障理事会、信託統治理事会、経済社会理事会、国際司法裁判所
③国連総会:一国一票、勧告のみ(拘束力なし)
④安全保障理事会:5常任理事国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)と10非常任理事国で構成、9か国以上の賛成が必要、全ての常任理事国の賛成が必要(拒否権)
※「平和のための結集」決議→安保理がマヒした場合は緊急特別総会を招集し、軍事的な措置を含む勧告を出せる
⑤国際司法裁判所:国籍の異なる15人の国際法の専門家などが裁判官となる
⑥国連平和維持活動(PKO):国連決議にもとづいて国連の指揮で行われる治安維持活動や停戦監視活動、PKF(平和維持軍)と停戦監視団・選挙監視団(非武装)からなる(警察官や民間人も参加)
⑦国連分担金:アメリカ22%・日本12.58%、アメリカをはじめ多くの国が滞納
(3)世界の紛争
こちらを参照してください→世界の民族問題・紛争(地理)(問題と答え)
(4)国際経済
①国際分業:水平分業(先進国どうし)と垂直分業(先進国と途上国)、自由貿易は貿易当事国すべてに利益があると考える
②保護貿易を擁護する立場:育っていない産業、不況時、農業分野
③国際収支:経常収支、資本移転等修士、金融収支
ⅰ)経常収支:貿易収支(商品の輸出入)、サービス収支(輸送・旅行など)、第一次所得収支(非居住者への雇用者報酬、投資収益)、第二次所得収支(国際機関への拠出金、出稼ぎ労働者の送金など対価を伴わない資金の移転)
※日本は2011年以降貿易収支は赤字、しかし経常収支は黒字、第一次所得の黒字がとても大きいから(海外の企業・子会社や銀行からの配当や利子など)
ⅱ)金融収支:直接投資(経営参加を目的とした海外投資)、証券投資(経営参加を目的としない海外投資)
④円高→海外旅行・対外投資・輸入に有利
円安→外国からの旅行客、外国からの投資、輸出に有利
⑤輸出が増加・国内金利の上昇・国内物価の下落→円高
輸入が増加・国内金利の下落・国内物価の上昇→円安
(5)南北問題・南南問題
①原因:植民地支配→モノカルチャー経済
②対策
ⅰ)国際復興開発銀行(IBRD)
ⅱ)経済協力開発機構(OECD)とその下部機関の開発援助員会(DAC)→途上国の支援を先進国間で調整
ⅲ)国連貿易開発会議(UNCTAD)→発展途上国主導、先進国に対する資金援助と貿易の促進を要求
ⅳ)国連開発計画(UNDP)→「人間の安全保障」の実現(最低限の医療や教育)
ⅴ)政府開発援助(ODA)→日本は総額で最高水準だが減少傾向、GNI比も0.18%(DAC目標は0.7%)、借款の比率が高く贈与比率が低い
③急成長する諸国
ⅰ)アジアNIEs:韓国・台湾・香港・シンガポール
ⅱ)ASEAN:タイ・マレーシア・インドネシアなど
ⅲ)BRICS:ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ
④後発発展途上国:サハラ以南のアフリカ諸国、カンボジア、アフガニスタンなど
→絶対的貧困層(ベーシック・ヒューマン・ニーズ、BHNさえ欠如)
⑤累積債務問題:工業化のために先進国から資金を借り入れた中南米などで、返済不能な状態に陥ってしまうこと
(6)地域経済統合
①EU:27か国(2020年、イギリス含まず)
②APEC:アジア太平洋経済協力会議、ゆるやかな枠組み
③NAFTA:北米自由貿易協定、アメリカ・カナダ・メキシコ、域内での関税撤廃
④AFTA:ASEAN自由貿易協定
⑤MERCOSUR:南米南部共同市場、関税同盟
⑥AU:アフリカ連合、EU型の政治・経済統合を目指す
⑦TPP:環太平洋パートナーシップ、アメリカが離脱したため→環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 (CPTPP)と名前を変え11か国で発効
(7)異文化理解と共生
①文化相対主義:文化間の優劣の差を否定
②多文化主義:1つの国や社会の内部で複数の文化が共存すべきとの考え方
※エスノセントリズム(自民族中心主義):自国の文化や民族が他国よりも優越的だとする考え方
(8)NGO
①赤十字国際委員会(ICRC)
②オックスファム(OXFAM):途上国の飢餓と貧困と不正をなくすための募金と援助活動を行っている
③アムネスティ・インターナショナル:良心の囚人の釈放や死刑廃止運動などを行っている人権NGO
④国境なき医師団