(1)効率の良いインプット方法は「ネットワークを形成すること」
学習の基本とも言えるインプットですが、僕は効率の良いインプットの方法は「ネットワークを形成すること」であると考えています。
「ネットワークを形成する」とはどういうことかというと、インプットしたい知識を単独で覚えようとするのではなく、その関連事項(他の知識や情報)、感覚(音や視覚情報など)、経験と結びつけることで、効率よくインプットができ、かつ、インプットが強力になります。
インプットのネットワークを広く深く構築することこそ、「勉強」と呼ばれるものの根幹なのです。
- 知識や情報によるネットワークの広がりはこちら→平面的なインプットのネットワークの広がり
- 経験や感覚によるネットワークの広がりはこちら→空間的なインプットのネットワークの広がり
☆インプットを広げる具体的な方法についてはこちら→暗記(インプット)の効率を上げるために工夫しましょう! 暗記(インプット)の効率を上げるための具体的な方法をご紹介します!
(2)アウトプットや活用、応用にも効果的
インプットのネットワークを形成していれば、そのインプットを取り出すとき(アウトプットするとき)に、その要素に結び付けられている別の要素も一緒に出てくるので、アイデアが広がりやすくなります。
また、類推がしやすくなるので、知識の活用や応用にも役に立ちます。
☆表現(アウトプット)に必要なものは構造の理解と要素のストックです。
(3)全ての知識や経験はネットワークになりうる
また、僕は全ての知識や経験はネットワークになりうると考えています。つまり無駄な知識や経験はない、ということです。
これが、「文系だから理科は知らなくてもいい」「理系だから国語はできなくてもいい」「古文・漢文は無駄」「文法なんて意味がない」といった知識や教養を軽視する風潮に対する反論になり得ます。
☆知識や情報によるネットワークの広がりはこちら→平面的なインプットのネットワークの広がり
☆経験や感覚によるネットワークの広がりはこちら→空間的なインプットのネットワークの広がり
(4)デバイスがインプットを受け取るために
しかし、インプット‐ネットワーク理論はインプットの多様さが知的能力につながるという理論なので、同じ年数生きてきた人の間で知的な能力の差ができること、あるいは、年長者が常に優れているわけではないということが説明できないように思えます。
僕は、この原因は知識や経験の種類や性質にあるのではなく、受け取る側に問題があると考えています。
つまり、インプットのネットワークを構成するデバイスが脳にあるとして、そのデバイスが知識や経験に対して閉じている、あるいは、フィルターをかけていると考察しているのです。
では、そのデバイスに効率よくインプットを送り込むにはどうすればよいのでしょうか。
- モチベーション(目的意識、問題意識)
- 自信・自尊心(自分の中にインプットのネットワークが確かに存在するという確信)
- 不安のなさ(目の前の知識や経験に無駄なものはなく、ネットワークの一部として何かにつながっている(あるいは将来つながる)という確信)
この3つが必要であると考えています。
ちなみに、このデバイスは好奇心と言い換えることができると思います。好奇心を持った状態を作るためには、上記の3つが必要となるのです。
逆に、この3つがそろっていないと、世界に対して閉じた状態、何に対しても好奇心が持てない状態になります。実際に、こういった状態に陥っている生徒を何人も見てきました。このような生徒は、学ぶことに対して大きな壁があり、あるいは「暖簾に腕押し」といった感じで、提示された知識や経験が、身にならず抜けていってしまいます。
「先生」と呼ばれる人の、まずやるべき仕事は、この3つの要素を生徒に身につけさせることでしょう。ここから始めないと、「勉強」にならないのです。
※参考:言語習得の唯一の方法comprehensive input
~参考~
☆【大学受験で成功するための100か条】大学受験で成功するためにやらなければいけないことを100個にまとめました!
☆解説動画・授業動画一覧(英語・数学・国語・理科・社会・小論文・勉強法)
勉強法(インプット)
②効率の良いインプット方法、インプット‐ネットワーク理論とは何か
⑤暗記(インプット)の効率を上げるために工夫しましょう! 暗記(インプット)の効率を上げるための具体的な方法をご紹介します!
大学受験で成功するためにやるべきこと一覧
(4)学習計画の王道
(5)勉強法の王道
(6)思考力